満足度★★★★
幹部俳優がお疲れ気味
特に吉右衛門は団十郎の代役をだいぶ引き受けたので、疲れ気味ではないだろうか。この日も鼻声で、俊寛にはそのお疲れ気味な感じがいい方に作用したかもしれないが、第2部と3部の役は後進にまかせるというのも幹部の役目だろう。とは言っても適当な人がすぐに思いつかないところに人材不足を感じる。
第一部は俊寛もよいが、三津五郎の喜撰が見逃せない。こういうユーモラスな踊りをひょうひょうと柔らかく、しかも身体の隅々までに神経を行き届かせて踊れる人は他にいない。(ここでも人材不足だ)
第二部、土蜘蛛は、踊りと物語が一体になった面白い出し物。菊五郎は身体が重くてしんどそう。体重が重いというのではなく、動きが鈍くなっている。疲れてるな~。
第三部の助六のABは本当に浮世絵のように美しくて、カッケー。入門として見ておくのは悪くないと思う。ここでも三津五郎がいい味をだして、観客の笑いを誘う。