グリーンミュージカル「LADYBIRD,LADYBIRD」 公演情報 アリー・エンターテイメント「グリーンミュージカル「LADYBIRD,LADYBIRD」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    Good
     よく出来ている。少女が出演者の大部分を占めるが、このようなキャストでここまで完成度が高いのは、立派である。少女達の柔らかい感性を活かしつつ、大人が、きちんとフォローし、演技の上でも脇を固めて過不足なくプロの舞台にしている。実際、キャスティング、少女達の歌や踊り、演技の上手さも、優れたシナリオ、演出に応えた内容であった。結果、死生という重いテーマを扱いながら、決して沈んだトーンにならず、本質的でありながら質の高い抒情性を易しい表現に織り込み、希望の火のともる温かで、爽やかな舞台になった。

    ネタバレBOX

     主演のテントウ虫、アンを演じた加藤 梨里香は若干荒削りではあるが、これからが楽しみな才気を感じさせ、アゲハ蝶役の古谷 梨乃もキッチリ役をこなしていた。また、蜂を演じた4人の少女たちの愛くるしさも良い。
     この少女達の謂わば陽の世界に対置されるような形で蜘蛛を演じた女優が、また素晴らしい。夜、悪、地獄と悪いイメージばかりを背負わされた役柄であったが、彼女はこの役を、ビートの効いた踊りと歌で甘美な悪と耽美な夜に変え、地獄の恐怖を従順に変化せしめたのである。そのような華を若い頃のピーターのような妖しい洒脱で演じてみせたのだ。
     これらを演出した技術も素晴らしい。虫さんと呼ばれ、彼らの飼い主でもある人間が、実際には舞台上に登場しないのも良い演出だ。惜しむらくは、カブトムシは名前からはオスであるはずなのに、女優が演じ、その角がオスのものであったことだ。カブトムシのカッコよさを表すには、この方が適当だろうが、ちょっと気になった点ではある。
     更に細かい点に難が無い訳ではないが、これからが、楽しみな劇団であり、出演者、スタッフである。

    0

    2013/05/03 03:04

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大