満足度★★★★★
動悸が止まらない。
冒頭の豚ちゃんレースから、その後の芝居が相当ヤバいものになる予感が漂っていましたが。蓋を開けたら、こちらがどんな表情をして観たらいいか戸惑うほどのタブーと社会批判。多岐に跨るそれらを詰め込みすぎとも感じないほど笑いや恐怖で放出する脚本、その緩急のバランスの絶妙さに金子鈴幸くんの才能と実力が3年前の「王国」以来加速していることを実感。役者さん達はさすがに学生サークルということで今一つの部分もあったのですが、演出の力で引き上げられていて持ち得る力を最大限に発揮していました。しかし主演の加弥乃ちゃんは流石に学生サークルでは観られない実力と華。彼女に歌って躍らせるシーンも上手く盛り込むあたり、鈴幸くんは芸能方面の才能にも長けているな、と。後半、鈴幸くんが狂気を露にして以降は、あまりの恐怖に動悸が止まらず。終演後に「これ新歓公演だよなぁ。こんなに壮絶だと人入らないんじゃない?」と余計な心配をしてしまったのでした 笑