で・あること 公演情報 明治大学実験劇場「で・あること」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    動悸が止まらない。
    冒頭の豚ちゃんレースから、その後の芝居が相当ヤバいものになる予感が漂っていましたが。蓋を開けたら、こちらがどんな表情をして観たらいいか戸惑うほどのタブーと社会批判。多岐に跨るそれらを詰め込みすぎとも感じないほど笑いや恐怖で放出する脚本、その緩急のバランスの絶妙さに金子鈴幸くんの才能と実力が3年前の「王国」以来加速していることを実感。役者さん達はさすがに学生サークルということで今一つの部分もあったのですが、演出の力で引き上げられていて持ち得る力を最大限に発揮していました。しかし主演の加弥乃ちゃんは流石に学生サークルでは観られない実力と華。彼女に歌って躍らせるシーンも上手く盛り込むあたり、鈴幸くんは芸能方面の才能にも長けているな、と。後半、鈴幸くんが狂気を露にして以降は、あまりの恐怖に動悸が止まらず。終演後に「これ新歓公演だよなぁ。こんなに壮絶だと人入らないんじゃない?」と余計な心配をしてしまったのでした 笑

    ネタバレBOX

    ボランティアに行った東北から感謝の気持ちで野菜が送られてきて、それを食べ続けてたら死んだのにゴジラとして復活とか・・・障害を持つ役者さんの腕を取って「トングかよ」とか・・・どんな顔して観たらいいんだ、と思った途端に「試されてる」自分に気づきます。

    マスコミ批判、小劇場批判、そして乱暴すぎると思うほどの地方出身者攻撃等々、よくここまで詰め込んだな、と。麻○○○、そ○○などの宗教ネタは、小心者の私にはこうして打つのさえはばかれるのに。秋元康の名前も、彼女の口から出していいのか、と 笑

    クライマックスでの鈴幸くん演じる犯人の異常性の発露以降、恐怖のあまり動悸が止まりませんでした。目への挿入での血糊、精液の飛ばし合い、死姦による糞塗れの手・・・ただその光景が突然目の前に現れただけではこんなに心臓はヤラれません。確実に鈴幸くんの精神は至って正常、だからこそ様々な異常性を観客に訴え、且つ問うことができるのだなと思います。

    その表現を実際に舞台で体現する役者さん達と、作・演出家の信頼関係たるや。加弥乃ちゃんの起用や、山田くんにあの役を演じさせる等、座組の並々ならぬ覚悟を感じました。

    多分鈴幸くんは将来芸能界を牽引する人になるのでしょう。演劇に映画に、期待MAX。あまり遠くない未来、「で・あること」を観たことを自慢しまくりたいと思います。

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    2013/04/28 16:31

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