満足度★★★
難しいことに手を出しちゃって・・・
シャイクスピアって、話の内容はサクっと演じれば30分程度の話だけど、
とにかく登場人物が、「自分が何故そういう行動にでるのか」「自分が何故
そういうように思うのか」、ぐだぐだぐだぐだ屁理屈を言って、
長い上演時間になりますよね。
確かに、ぐだぐだぐだぐだ回りくどく言う(語る)台詞の表現方法に、
魅力的なフレーズがある場合もあるのですが、
あまりにも能書きが多く、僕としてはイライラしたり、
眠たいなぁって思う事がしばしば。
だから基本的には、あんまりシェイクスピア劇って見ません。
劇団ブギウギが上演するので、
シェイクスピアの戯曲を下敷きに、口頭語で、コント風にして、
いろいろドタバタするのかなぁと
思ったら、
なんと正統派とドタバタの融合。
記述語と口頭語が交わった台詞で構成されているのだ。
いやいや難しいことに手を出しちゃって・・・
ドタバタしながらも、シャイクスピアの悠長な台詞も交え・・・って、
水と油のようなことをしようとしてました。
役者とか劇団の皆様って、経験を積むとシェイクスピアって演じたく
なるものなんだろうか?
ドタバタの部分は楽しい、シェイクスピア調の部分も悪くはない。
でも融合したら、それがプラスの反応、乗数の反応になるのではなく、
アンバランスさだけが浮き彫りになっている。
ドタバタの部分に急ブレーキがかかったり、
落ち着いた部分に急に水をぶっかけられたかのように、
見ていて、「どっちなんだー!!」と言いたくなる居心地の悪さ。
「うな丼」と「コーンポタージュスープ」を一緒に食べているようなものでしょうか。
上手くやれば、面白くもなれたんだけど、残念。
役者さんが皆同年代なんでしょうか、役柄には年齢差があるはずなのに、
みんな同じ位に見えるから、人間相関図が、わかりづらい。
恋する女の子達も、いい年だしね。
先に書いたよう、ドタバタの部分は楽しいです。
毒もあります。時に過激過ぎてR指定っぽ刺激もあります。
その部分だけ期待していけば、満足するでしょう。
でもその分チケット代も半分(¥1900)にしてもらわなきゃね。
「真夏の夜の夢」のファンタジックさ、キュートさ、格調の高さは・・・と言えば、
世界的に有名な役者さん達も演じている作品ですから、
比べられてしまう覚悟を基に有償公演として上演しているのでしょうから、
率直に申し上げて・・・
まぁテーマパークのアトラクション程度でしょう。
幕の内弁当的に、たくさんを詰め込んだんだろうけど、
食材の食べ合わせは悪くないけど、調理方法が合わない料理が
揃ってしまったため、何を食べているのがわからなくなってしまったような、
そんな作品でした。