『                        』 公演情報 荒川チョモランマ「『 』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    演劇って良いなぁと感動しました。
    他愛ない3人の幼馴染みの話ですが、不思議と凄く得難い体験をしたような、貴重な時間を過ごしました。

    ネタバレBOX

    巣鴨協会で、スリッパに履き替えて入り、まず真心溢れたグリーティングカードをいただきました。そのカードが「3月11日」を思いやったものであったことにまずしんみり胸が温かくなりました。

    協会の本堂に入ると、木のベットが、上にライトとか椅子が乗った状態で無造作に置かれ、それを百冊くらい絵本が床で取り囲み、カラフルなストローとか、白い風船とかが、ばらまかれたり窓にびっしり詰められたりしています。子どもの明るい夢の世界が始まりそうな印象を受けました。

    ゆったりと座れる長椅子に案内され、ベットを取り囲むように座り、クラシックなピアノの調べを聴いていると協会の雰囲気と合わさって、自然に背筋がのびるような気持ちになりました。

    神父の息子、幼馴染みの姉御っぽい女子、幼馴染みの天然の女子。3人の人間関係が、時間を遡って照会されるだけなのですが、ぐいぐい引き付けられました。

    息子はまともそうだったり、社会問題にニヒルなことを言ったり、突っ込みにキレがあって社交的なのに、実はストーカー要素もあって熱い人物でした。
    姉御は、サバサバしてるのですが、自信への自虐的ツッコミとか、報われない感じとか、ちょっとしたギャグの部分が凄く上手くて、何度も笑わされました。

    天然の女子は、演技力が抜きん出てる他の2人に比べるとちょっとぎこちなさがありましたが、魅力がちゃんと伝わってきました。3人とも、幼い時の役もやり、更に、祖父母や、自分の老年期の役もやります。その切り替わりの時、「変化を見せるぞ」という下心を感じさせず、単にストーリーを伝えたい、その人物の説明に、すぐ自分の体を使って成りきる、という自然さ、美しさを感じました。

    ストーリーの展開もどんどん気になり、役者が生きていて、更に3.11を通して感じたのであろうテーマ、人間愛もうっすら感じさせ、とても面白かったです。
    協会の中のプラネタリウムに浸りました。

    色んな人に見てほしいと思いましたが3/11の一日だけの公演だったのですね。真摯な公演を、観れて良かったと思います。

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    2013/03/12 22:00

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