満足度★★★
T.ウィリアムス
作品のセレクトの仕方と志の高さは良い。然し、T.ウィリアムスの生きたアメリカという国の特殊性、南部という地域の特殊性、カソリックとプロテスタントとの歴史的経緯、アメリカに渡ったピューリタンの特異性とWASPに象徴されるアメリカでのピューリタンの意味、更にキリスト教シオニズムとシオニスト「国家」イスラエルの関係及びイスラエルがグローバリゼーションに於いて果たした役割などまで含めて考えなければ、今回、選ばれた短編が、現代日本で、ウィリアムス本人が抱えていたような深刻な問題を個々の観客に提起することは、不可能だろう。
彼の作品世界では、植民者と被植民者の関係が、社会的弱者個人と社会的強者とに投影されて描かれるが、弱者は”狂気”という表現形式しか持ち合わせていないことに注意すべきである。その弱者を宝石のように際立たせたいなら、舞台上で演じられることの10倍程度の知識は不可欠、表現するための技術も考え抜かれ、身体化されたものが滲みでるようでなければなるまい。
一層の努力を期待する。
2013/02/03 15:24
2013/02/02 23:54
2013/02/01 01:15
2013/02/01 00:15
公演に足をお運びいただき、お帰りの際にもご意見をいただきまして、ありがとうございました。
その時のお言葉の一つ一つが、我々の知識のなさを痛感するもので、目の醒める思いでうかがいました。
そのお眼鏡にかなうものにできるよう、しっかりと取り組んでまいりますので、今後ともご意見をいただきますよう、お願い申し上げます。
お礼のコメントが遅くなりまして、大変申し訳ございませんでした。
-小田和也-