タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦 公演情報 新国立劇場「タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    全3幕、上演時間3時間55分(休憩含む)をたっぷり堪能
    ハンス=ペーター・レーマンの演出は、スケールがあり、壮大で美しい。

    ネタバレBOX

    ご存じの方も多いとは思うが、あらすじはこんな感じだ。

    禁断の地ヴェーヌスベルクで女神と愛欲にまみれて家庭を顧みなかったタンホイザーが、女神との生活を捨て自宅に帰る。
    しかし、城で行われた歌合戦によって、タンホイザーがまだ快楽に気持ちが傾いていたこと、また、禁断の地ヴェーヌスベルクいたことを知られてしまう。それを知った騎士たちに「裏切り者」となじられて、切られそうになるが、タンホイザーの妻・エリーザベトが中に入り、領主がタンホイザーにローマに行って法王から罪の赦しを得ることを命令する。タンホイザーは、巡礼者に混じってローマへ向かう。
    ローマから巡礼者たちが戻ってくるが、タンホイザーの姿はない。エリーザベトは、タンホイザーの罪が赦されるのであれば、命を捨てることを決意する。
    タンホイザーは、身をやつしてローマから戻るが、法王の赦しは得られなかった。法王は、タンホイザーに、その罪が赦されることは、自分の持っている杖に緑の葉が生えるぐらいにないことだ、と言われた。
    タンホイザーはやけになり、禁断の地ヴェーヌスベルクに戻ろうとするのだが、エリーザベトによってそれは妨げられる。エリーザベトは命を持ってタンホイザー救おうとしたのだ。タンホイザーはそれを知りこと切れる。
    そこへ緑の葉が生えた法王の杖が持ってこられて、タンホイザーの罪が赦されたことが告げられる。

    この舞台は、まず序曲で驚かされる。
    それは、円筒形の大きなセットがスモークの中から次々と現れてくる。舞台の天井より高いぐらいのセット、3階席ぐらいの高さはあろう。
    それが壮大な音楽とともに、舞台の奈落からそびえ立つように現れる様子は圧巻だ。もうこれだけで、シビレてしまった。
    つまり、セットが登場するという、それだけで間が持つというより、感動してしまう。これからの舞台が期待できる序曲だ。

    序曲から続くのは、禁断の地ヴェーヌスベルクを表現する、新国立劇場バレエ団によるバレエ。
    男女のバレエ・ダンサーが艶めかしくも美しく踊る。
    とても美しい。バレエの公演か? と思うほど。

    タンホイザー役(スティー・アナセン)は手堅い。さすがだと思う。
    ヴェーヌスベルクの女神(エレナ・ツィトコーワ)と、タンホイザーの妻・エリーザベト(ミーガン・ミラー)の歌は見事だ。声量も表現もたっぶりしていて、心地良い。
    また、特に男性合唱が良い響きだ。
    騎士団が現れて来る個所などは、舞台袖のオフの声が舞台の上に徐々に現れてくるという効果はなかなか。
    牧童を演じた國光ともこさんは、一見華奢な体つきなのだが、素晴らしい歌声であった。

    歌合戦のために騎士や貴族、その妻たちが、次々に舞台に現れてくる様も、豪華でわくわくさせる。
    セットの使い方は意外とシンプル。映像や照明もいい。

    全3幕、上演時間3時間55分(休憩含む)をたっぷり堪能した。

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    2013/01/28 13:56

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