満足度★★★★
あたたまりました
この劇団は、ほとんど「外れ」がないので、安心して観ていられます。
今回は山本周五郎の「さぶ」
すでに本で読んだものだということもあり、余裕を持って池袋に向かいました。
無償の愛。損得を考えずに、愛情を注ぐという生き様が、山本作品には貫かれて
いるのですが、私もそんなテーマにすこぶる弱く、何度も涙腺が弛んでしまいました。
2時間25分という長い時間であったにもかかわらず、1度も「睡魔」に襲われる
ことがなかったのは、原作が優れていたことだけでなく、脚本も、そして役者さん
の熱演があってのものでしょう。
私の両親の生き方が、「自分と同じくらいに(時としては自分以上に)他人を大切に
する」といったものだっただけに、今は亡き父と、年老いた母と対話しているような
心持ちで、劇を観ていました。
1人1人、人生の重さには軽重の違いはないものだ
明日からがんばって生きよう
人に優しくすることを後押しされた
そんな気持ちにさせてくれる劇。
寒い帰り道も、心は温かいままでした。