あの山の稜線が崩れてゆく 公演情報 城山羊の会「あの山の稜線が崩れてゆく」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    奥さん
    面白い。

    ネタバレBOX

    しおり(岸井ゆきの)とその家庭教師・高崎馬(本村壮平)とママ(石橋けい)が談笑してる中にパパ(古屋隆太)が帰ってきて、北京飯店で飯を食べることになる。そこに隣人の吉岡夫妻が訪ねてきて、しおりを本当の父が引き取ると告げる…。

    しおり…高崎馬を手のヒラの上で転がす、若干小悪魔。
    高崎馬…大学の登山部所属。しおりを想定したエアー抱擁をしおりに見られる。ウブ。
    ママ…精神病に罹ってそうな美人。低血圧っぽい。パパを内心見限っている。
    パパ…しおりの本当の父でない、というつくり話が本当だったってことで動転。なかなかいい体してるけど、ママからウワベだけと見透かされる。
    吉岡妻(永井若葉)…いい感じにウザイ。
    吉岡夫(岡部たかし)…やはりいい感じにウザイ。
    添島テルオ(猪野学)…しおりの本当の父。刑務所に入ってた頃に「ミルフィーユ記念日」を創設する。やはりいい体してる。

    会話から発する絶妙な空気がいい。思わずニヤニヤしてしまう。吉岡夫妻来訪までの4人のとこなんか特に。
    問題ありげな家庭に、吉岡夫妻という厄介者が入ってきて、不穏な空気が作られる。そしてそんな空気を、終盤のパパ混乱で一気に吹き飛ばす。古屋の演技も逐一良かった。

    しおりの身代わりを仰せつかった高崎馬の女装と舞台空気のギャップとか、しおりを取られまいと奮闘するパパを尻目に、添島のいい体が決め手になって離れるママとしおりとか、いいさじ加減で期待を裏切ってくれるとこに惹かれる。

    二人が出ていき、残ったパパにビールを持ってくる高崎馬はしおりになりきる。捨てられた男二人の哀しさが印象的。そして、その反対側にいる女性二人(ママとしおり)の存在もまた、印象に残る舞台だった。「家族」の話だけど、「男」と「女」で区切られた作品だった。

    カーテンコール後、客席に笑顔を振りまく岸井が素敵。

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    2012/12/01 23:43

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