満足度★★★
なんだろ・・?(・・;)
芝居と言うのはとかく、見せる方も観る方も感性の問題だとこれほどまでに深く気付いたのはこの舞台を観たお陰です。
ストーリーは椎名編。
椎名3歳、椎名5歳・・・と椎名30歳まで断片的に短編集を繋ぎ合わせた物語です。
着眼点は悪くない。悪くないがだからって大爆笑するようなシーンってないよね?(・・)
そんでもって楽しい内容でもない。
感動物でもない。
勿論、ファンタジーでもないのだ。
そこに夢や希望や冒険がある訳でもないありきたりの日常を年ごとに輪切りにして見せた芝居。
椎名の母親は我儘かつ奔放なニンゲンだから、椎名の父親が誰なのか分からない始末。
夫との離婚を繰り返し、その度にまた別のオトコと結婚する。
不思議なのは離婚の原因は常に妻の浮気にあるのに、離婚を言い渡された夫達は、それでも離婚しないで欲しいとしがみつく。
椎名は子供心にその母親を好きになれず、自分は大きくなったらちゃんとした職業を持ってオトコに頼らずバリバリ働くオンナになりたいと夢見る。
やがて椎名は大人になり30歳になったが就職もしないでふらふらして日々を過ごす。
大人になってから気付いた事。
それはあんなに嫌いだった母親に自分がそっくりなニンゲンになっていた。ということ。。
何故か椎名の命は30歳で終わりを告げる設定で、椎名の夫はかつての同級生だった。
好きだった別の同級生とは結婚できず、それ程好きでもない同級生と結婚した椎名。
相変わらず淡々としたしゃべり口調で自分の死を見つめる。
それに比べて母親は長生きしそうだ。
椎名母は60を過ぎた今でも元気に離婚を繰り返し、また新しいオトコと結婚を企てる。
むしろ・・・この椎名母を主役にした方がオモチロおかしいのではないだろうか?
普通でないニンゲンをクローズUPした方が面白いのに決まってる!(^0^)
空き地に居る猫が微妙な役割をしている。
亀仙人ならぬ、猫仙人なのだ。
このキャットのキャスト、関村がいい味を出してる。非常に自然なのだ。
「前世は猫だったろ?今さっきまで陽だまりで寝てなかった?」みたいな雰囲気なのだ。
人生とはなんぞや。みたいな哲学を持っていて、椎名と会話する。要は他のニンゲンには猫語が解らないのに椎名にだけは聞こえるのだ。
そして・・・椎名母もこの猫語が聞こえていたらしく「空き地に行くと猫が話かけてくるのよね。」なんてのたまう。
この部分でもやはり椎名は椎名母のDNAを受け継いでいる。
で?結局薬局、何を訴え何を感動させ何が言いたかったのか?
脚本の意図が理解出来ないのだ。
「特に訴えるものなんて無いです。ただ生きていく過程のニンゲンを描きたかっただけ。」という答えなら、「ふ~~~ん。。そうなんだ~~。。」で終わるのだ。
昨今の芝居には○○編とか、Aバージョン・Bバージョンとか、何通りも作って見せようとする芝居が多くなってきたが、ワタクシに言わせれば、そんな何通りも作る暇があったらもっと、内容の濃い作品を見せてよ。と言いたい。。
バージョンを作るほど、バージョンアップしてる芝居には到底思えないのだ!
2008/03/20 00:40
2008/03/20 00:01
>話はアブナイヤツの方が十倍面白かったりする。もっとも、聞いてるだけで十分で、決して近くには寄って来ないで欲しんだけどね・・。
ふ?・・?)ワタクシは寄って来てもでんでんOKですわ。
むしろ、寄ってきて欲しい・・(^0^)ゲテモノ趣味、喰わず好きですねん!
>今夜観て来たお芝居も、個性的な役者さんは皆とても素晴らしいのですが、やっぱりストーリーも大きな要素なんですよね・・。
う~~ん。。もう、この行だけで察しがつきますね。
さっき、他の方が『観てきた!』投稿していたけれど・・・なんだかな~って思いました。
そっか・・。
>腹の底から笑わせてくれるのもいい、はたまた、涙ぐませてくれてもいい、もっと言えば、感動に打ち震えさせてくれればなお素晴らしい・・。
じ~んと長く忘れられない言葉やシーンに出合った時、人はどれくらいの幸せを得られるのか・・・。
まったく、同感ですね。
普通の芝居を観にわざわざ交通費使って、何よりも大切な時間を割いてまで、行きたくないですわ。
だったら、最寄の映画館で流行の映画を観た方がいい。。なんて思ってしまいます。。
はい、その幸せを感じる事が出来ると麻薬患者のようにふらふらとまた、足を運んでしまう。
それと言うのも、魅薬を知ってしまったからですわね。。
>逆に言うと、そういったものを頂けなければ、いくら有名な方が作ろうが、いくらカッコいい俳優さんが出てようが、やっぱり十分な満足は得られない・・・、のかも知れないです。
その通りですね。
良く解ります。ワタクシも普段からそう思っているうちの一人です。
>演劇って、ほんとに素晴らしい・・。
素敵な作品に巡り合うたび、ああ、生きてて良かった・・、感情ある人間に生まれてよかった・・。
大げさに思えるかも知れないけど、そういうのがほんとの感動なんだと思う・・。
ええ、ええ、そうですとも。
ワタクシも、これからの季節に良い舞台を観たと思える芝居に巡り合うと、そのまま自宅に帰ることはしません。
ふらふらと、しばし先ほどまでの余韻に浸りながら静かな公園に立ち寄り・・・さくらを愛でながらその背景にある満月を観て幸せをかみ締めますね。
そうして、先ほどまでのストーリーを思い浮かべてなぞります。
感動のシーンは何度も何度も、蘇って来て更に幸せになります。
そうやって、陶酔と共に至福のひと時を過ごし、ふくふくと自宅に帰るのです。
>もっとも多少失望しても、また、あの何物にも変えがたい精神の高揚を求めて、また、劇場に足が向いてしまうんですけどね・・。
はい、ワタクシも懲りずに足を運びますよ。
次はきっと感動をもらえるんじゃないか?と希望をもって・・。
お互い、似たような感情を抱いて舞台を観、似たような感情を抱いて落胆し、似たような感情を抱いて希望に燃え、似たような感情を抱いて感動するのですね。
そうやって素晴らしい舞台を追い求め、さくらを理由に酒を飲む。
生きてるだけで素晴らしいです!(^0^)