HONEY 公演情報 SQUASH(劇団スカッシュ)「HONEY」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ブロックごとの表現
    この物語は実際の大塚がアトリエで起こった日々を書いたものらしいから、劇としてはインパクトに欠けるよね。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    大抵のニンゲンなんてのは、日々の暮らしの中で怒涛に慄くような出来事や死ぬほどすんごい体験をした!なんてことはなく、普通はどーってことない日々を流れに任せて過ごしちゃってるから、そーとー、鬼がかりか神がかりにでも逢ったという事でもない限り、自分の体験談を芝居にしちゃったら、『ふ~~~ん(・・)』で終わってしまうのが関の山なのだ。


    そこにいくとこの物語もまさに『ふ~~~ん(・・)』の出来で、強いて言うなら物語の展開をブロックごとに区切り、断片を繋ぎ合わせて作った手法が『ふふ~~~ん(・・)』成る程な~(・・)と『ふ』が一つ増えるあたりが、感動ものなんだろうか?


    芯となる一つの確固とした物語があるわけではなく、ワンシーンワンシーン、それぞれに登場人物のドラマの断片だけを見せながら、それらをランダムに繋ぎ合わせて、一つの作品を形成している。
    かと言って、それぞれのエピソードがまったく独立したオムニバスというわけでもなく、各シーンの登場人物は他のシーンに微妙にリンクもしていたりして、最終的には事故で亡くなった友人の原因が上手く伏線で繋がっていたりする。


    とにかく演出がポップで楽しい。


    青春時代と窮屈な大人の社会との両方に足をつっこんで生きている人間の日常をうまくすくいとって、アトリエでの人生の中のほんの短期間の、特別なひとときを生きている人たちだけが持つ輝きと憂鬱が、舞台にぎゅっと凝縮されていてる。

    その表現方法の肩の力の抜き加減と、お洒落さとクールさが、また良かった。

    大塚は社会人なのだろうか?
    ということは、作品の中で描かれるアトリエという非日常の、ど真ん中で生きている人だった、と思うのである。


    それでいて、社会人となった今でも大人になりきれて居ない、つまり社会人と学生の中間地点でかつてのアトリエでの出来事を懐かしんで浮雲のように漂って居るのではないかと推測されるのである。


    いつものように芝居が始まる20分前に余裕を持って会場入りするのが習慣で、それはパンフレットを確認したり、役柄とキャストを合わせながら今回のストーリーを予習するのだが、たまたま隣に座った大学生の男の子がニンゲン好きらしく、こっちの話題も断然、楽しかったのだ!

    ニンゲン好きと自分で申告するくらいだから、話の内容もさることながら展開も上手い!
    いあいあ、下手な芝居を観るならこの学生の話を聞いてた方が楽しいんじゃあないの?(・・)っつーくらい、楽しい!
    一人で芝居を観に行くと隣り合わせた観劇者とついつい話しに花が咲いちゃうのは良くある事で、この時間がとてつもなく楽しく、尚且つためになる事があるんだよね。

    小劇団の観劇者って大抵は出演者の友人だったり家族だったり、要は親しい間柄だから、役者の素顔なんか聞いちゃったりして、意外なネタが暴露されたりする訳でして・・・(^0^)


    で、すっかりいい気分にさせられて、いざ芝居見物となる訳だけれど、要するに・・・結局薬局、この素人の学生も中々オモチロオカシかった!という結論に達する訳よね。(・・)



    小劇団は観劇者もインパクトがあります!(^0^)




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    2008/03/13 02:05

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  • おーじ>はい、なんていうか・・インパクトの薄い作品でした。
    作者の好みなんでしょうかね?若い世代の作者ってこうゆう作品が多いですよ。
    たぶん、ご自分の表現としての作品であって、観客にどのようにしたら楽しんでもらえるか?という視点が薄いのでしょうね。
    たぶん、彼自身が同年代のニンゲンとしか関わりあっていないという証でもあります。
    もっと、多年代に渡って人との繋がりを持続していかないと、キャパの広い作品は作れないでしょうね。

    やはり、作家がそれなりのキャリアや人との関わりが多い人ですと、作風も自ずと違ってきます。
    おーじ、貴方も年間200本くらい観てるとキャリアの積んだ作家の作品は安心して観られる。と感じるでしょう?

    ただ、この作品の素晴らしいところは、ブロックごとに線(紐でリングのように)で形どって短編を繋ぎ合わせた構成は見事でしたよ。
    それが理由で酷評をしなかったのです。

    はい、その学生は役者の友人でした。はっきりいって彼の方がキャパの広さを感じました。
    色んな人と話してその情報を自分のものにする姿勢のあるニンゲンにはどうあがいたって敵うわけないですね。そうゆうことを感じさせる学生でしたね☆


    2008/03/13 11:37

    う~ん、珍しく、レビューを読んでも作品としての輪郭が余り伝わって来ない感じで、かろうじて酷評を免れているのは、美術に造詣の深いみささまゆえでしょうか・・・。

    作品がインパクト薄い分、チャッカリ隣り合わせた客席の大学生との話題で盛り上がるなんてみささまらしい・・。

    それなりに無駄な時間にならなくて、良かったですね・・。

    2008/03/13 11:10

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