満足度★★★★
老齢者向き、安定感ある舞台でした
行かないと言いつつ、そっと観て来てしまいました。
隠れ村井ファンなので…。
天狗に攫われるとか、ネズミに引かれるとか、神隠しに遭うとかは、私の幼少期には、東京でも、祖母が二言目には言っていた台詞でしたし、とりもちも、蠅をたくさん採って、見た目が気持ち悪いと思いながら、すごいなあと感心したりしていました。
ですから、東京育ちの私にも、どこか、郷愁を覚える作品でした。
村井さんと岡本さんの自然体の演技と九州弁が、とにかく心地良く拝見できます。
池田さんも、作品によっては、ややデフォルメした演技がわざとらしく感じる時があるのですが、今回の舞台では、両親思いの人の良い息子ぶりがとても自然で素敵でした。
謎の女性を演じる、川崎さん含め、この4人のキャストの塩梅が全てに亘って、観客を心地良く舞台世界に誘う水先案内人的スタンスでいらっしゃいました。
特段、驚くような展開があったり、ドラマチックだったりはしないのですが、終始、居心地良く観劇できた作品でした。
ただ、これ、もしも、招待で行かれた観客は、十分満足される舞台だとは思いますが、チケットを買って、どうしても観たいと思わせるだけの吸引力は、どこか不足しているように思うのです。
演劇興行の難しさを痛感しました。