無差別 公演情報 柿喰う客「無差別 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★


    面白い。77分。
    玉置玲央はホールでの挨拶もしっかりしてて印象がいい。

    ネタバレBOX

    忌み人として蔑まれ、赤犬殺しを生業とする狗吉(玉置玲央)やその妹・狗子(七味まゆ味)ら人と山の神々と狗子を母と慕う赤犬・人之子(葉丸あすか)らの神話。

    狗吉…人(日本人)と認められたくて大楠古多万(大村わたる)の枝を持ち帰った後、戦地へ。天皇が神から人になったことで神がいなくなったとし、狗子と国を産もうと交わる。
    狗子…穢れないよう狗吉から教育され、狗吉が殺した狗の子(人之子)を育てる。穢をしらないため神々の声が聞こえる。被曝により蔑まれる。
    人之子…狗子からの言いつけで、舞を踊れる真徳丸(永島敬三)を連れ帰る。狗子が大穴に落とされ、自分を食べてとその身を大穴に投じる。
    日不見姫神(深谷由梨香)…盲目で手がない片輪のモグラ。モグラ達に抱かれることで大楠古多万を殺し山の神になる。色々子供っぽい。真徳丸の舞に感動し惚れるが、そのせいで神でいられなくなる。
    大楠古多万…神の座を失し、狗吉に枝を切断され、体にキノコが生えてきてしまう。
    天神様(中屋敷法仁)…元人間。妬みのチカラで神に。
    真徳丸…盲目。その人の命(を受けて)舞をまう。人でないものがみえる。

    神と人が混在してた時代。そこから戦争を経て、原爆の投下、終戦、戦後の日本。世界も変わり人も変わり、神も変わる。結局、そんな中でも、昔も今も人は一生懸命に生きる。
    ラスト、大穴に落とされた狗吉と狗子の国を生むってのも、生きるってことになるだろうし。モグラなのに手のない日不見姫神も、何度も抱かれて生をもぎ取ったわけだし。狗吉は手榴弾での自爆ができなかったし。そこに、神も人も獣も差別はないということかと思った。そんな美学というか願い、かな。

    今より生死が身近な世界を通して、生きることの恐ろしさを描いた舞台。セットも中央の鉄棒を組み合わせたモノクロな色彩でずっしりしてる。役者がそれをスイスイ登って上から見下ろす絵がサマになってた。かっこいい。スーツってのがいいチョイスだったのかも。

    役者は、葉丸あすか、玉置玲央が良かった。

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    2012/09/17 23:17

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