喫茶室あかねにて。 公演情報 ホントに、月刊「根本宗子」「喫茶室あかねにて。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    初日B 熱演!
    四人の役者がそれぞれの色をいっぱいに出して、
    倍の大きさの空間でも溢れるようなお芝居をしていただいて・・。

    あれやこれやの突き抜けに力技も加わってどんどん引っ張られていきました。

    ネタバレBOX

    シチュエーション的には8月のお芝居の枠組みが生かされていて、
    でも知らなくてもしっかりと楽しめるように作りこまれておりました。

    一人ずつのキャラクターが
    役者の演技の色を引き出すがごとくに
    描かれていて、
    それぞれのロールのベクトルの突き出た感じが
    他のベクトルと重なって際立っていく感じに
    どんどん惹き込まれる。

    その店のウェイトレスの投げやりな感じが場の空気を導く中
    喫茶店に集う小劇場役者の内幕ものの態で
    思い込みの激しい感じや、
    シニカルな感じ、
    さらには女性的なずるさが
    ぎゅっと絞り出されて
    決して広くはない会場に満ちていく。

    後半、3人のベクトルがそろったあたりの同床異夢感には
    自虐的に描かれる劇団の内幕にかこつけた
    巻き込むようなおかしさがあって。
    それが、三人の重なりに浮かぶ劇団主宰の風情までも
    しなやかに描き出して、
    さらに笑いを引き出していく。
    ここに、役者たちの勢いが乗って
    そのテイストへの更なる巻き込み感が生まれて・・・。

    初日ということもあってか、
    後半は役者全員にきっちりギアがはいって
    パワー全開で観る側を突き崩していく。
    ただ、ちょっと惜しいのは、
    そのパワーがあまりにも溢れすぎて
    パンチラインが観る側に十分に効き広がる前に
    勢い余って
    次の波がそのおかしさまでも洗い流してしまうような部分もあって。
    観る側が仕込まれたものを味わいきる前に
    わんこそばのごとく次のものがやってきて・・みたいな。
    もうちょいと、一つずつの仕掛けをあざとく押し込む
    ずるさがあってもよいかもとは感じました。

    まあ、これまでにご出演の他の芝居を観ても
    半端なくしたたかな役者さんたちなので、
    上演を重ねるごとに
    互いが互いを引き出すための緩急は間違いなく進化するはず。
    逆にこのパワーを直撃で受け取ることでの迫力も
    当然にあるわけで、
    そういう意味ではレアなものを観ることができたのかもしれません。
    それでなくとも、
    これだけの実力を持った役者をこの距離で観ることができるのは
    本当に眼福なわけで・・・。

    これ、もう一つのバージョンだとどうなるのだろう。、
    (少し時間をおいて見に行く予定)
    ものすごく楽しみになりました。




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    2012/09/17 04:48

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