ファイティングポーズ 公演情報 劇団光希「ファイティングポーズ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    背負うものに感動
     "ファイティングポーズ”を見た。冴えないサラリーマン阿部は、運動神経零。妹に「子供の頃から、お兄ちゃんのせいでずっと恥をかかされてきた」と非難されるばかりである。然しながら、兄とてもそんな妹の言葉に釈然としないものを感じている。
     そんな時、妹の彼が通っているボクシングジムへ行ってみないか、と妹から提案が為される。同時期、阿部は妻が妊娠3カ月であることを知る。子供が出来たことを喜ぶ阿部だが、無論、ジムへ行くか否か迷いはある。何にしろ、運動神経は零なのである。迷った末に一念発起、ボクシングジムへ出掛けるが、ジム会長の妹からいきなり止めておいた方がいい、と言われてしまう。

    ネタバレBOX

     徹底的な駄目男が、男を立てて行く話であるが、内容的には凄絶と言っていいほどだ。何しろ、ボクシングの話である。格闘技を実際やっていた人で他流試合を経験した人なら分かるであろうが、実際ボクサーはどんな角度からでも打ってくる、という経験を持っているだろう。動体視力も良い。スピードもある。何より、実戦的である。寸止めルールのある空手などより遥かに実戦的なのである。当然、死の危険も高い。テンプルへのフックなどは頭部へのダメージが大きいし、チンへの打撃も脳が大きく揺さぶられる。
     スポーツとはいえ、以上のようなリスクを伴うスポーツであるのも事実なのである。その分、実際にボクシングをやり続けようとする者は、本人は無論のこと、応援する家族や友人、恋人たちの内心は試合の在る度、胸ふたがる念である。
     単に自分自身のプライドや勝ち負けでなく、自分を応援してくれる人々の念を背負い、生き様を背負ってこその格闘を描いている点にこそ、この作品が、これだけ感動を齎す原因があろう。

    1

    2012/09/16 12:22

    0

    0

  • ハンダラさま
    このたびは、とても丁寧なコメントをいただき、誠にありがとうございました。
    御礼が遅くなり、大変失礼いたしました。
    特に、格闘技に対する洞察は、私たち格闘技未経験の女性には、知ることのできない深い御意見ですね!
    実際、稽古中には、演技にも関わらず、何度が流血の事態となりました。
    幸い大事には至りませんでしたが、今回は取り組んだ題材の大きさに、身の引き締まる思いで、戦った…そんな舞台でした。
    今後も、気を引き締めて、作劇の世界を広げていきたいと思います。
    本当にありがとうございました。
    ところで、一つだけ…
    実は、ジムにいた女の子、今日子は、ジム会長の妹ではなく、娘でした。…
    私たちの演技が不十分で、わかりづらかったことと思います。すみません!
    (他のお客様にもそのように言われました)
    これを反省し、次回は気をつけたいと思います。
    どうもありがとうございました<(_ _)>

    2013/05/23 02:55

このページのQRコードです。

拡大