満足度★★★
「劇団力」を感じる
さすがオール劇団員による公演!って感じの、「密」なステージ。
始まりから終わりまで、空気の「濃さ」はさすがとしか言いようがない。
「これぞ、柿」っていう感じの、柔軟性とダイナミクスに満ちた身体表現の一挙一動に見ごたえがあって楽しい。
照明や美術も印象的。
ただ脚本はいろいろな意味で新鮮さがなかったような。
「作:中屋敷法仁」とあるにもかかわらず、作劇や「神話」や「戦後」についての語り・視座が、女体化シリーズのような「語り直し」の域を出てなかった気がする。
また5月に結成当時からのメンバーが抜けてしまったことによって、良くも悪くも劇団員の「均質性」が(特に「声」の面で)高くなってしまっていた印象があり、そのことが今回の作品では「軽いシーンが全体から浮いてしまう」という悪い方向に作用してしまったような感が。
今までの柿喰う客とは違う、メンバーチェンジを経た現・柿喰う客のための新しい表現方法を模索してもよいのではないかなあと、思ってしまいました。
役者として観るのは初めてだった中屋敷さん。アンサンブルとしての身体は面白かったんですが、台詞となると・・・^^;
他の方に比べて、声が「後ろ」に行ってしまっているような印象も受けました。
まあ、いろいろ書いてきましたが間違いなく満足度は高い作品だと思います。
千秋楽まで、怪我のないように祈ります。