満足度★★★★★
「ツァイトゲーバー」
一見シンプルだけど・・・素晴らしい!
同じ京都のピンク地底人なんかを観たときにも思ったのだけれど、
東京の若手劇団などに一番欲しいのが、
こんな、愚鈍なまでに真っ直ぐな作者の視線であったりするのでは
ないかな、などとも思ったりするのです。
京都は手作り市なども盛んなせいか、
劇研などのセットでも、
シンプルながら東京では想像もつかないような(豪華さという意味ではなく
精緻で作り込まれたものが何気なくあったりする。
作品それ自体についても、
今回の作品のように、
一見非常にシンプルでどこにでもありそうな概要でありながら、
詳細に分析してみると
全くどこにもない作者の視線のようなものがひっそりと反映されていたりする。
このような、
地味ながらも
愚直なまでに真っ直ぐな姿勢の作品が、
多くの(普段は演劇に足を運ばなさそうな)人の前で
(あの人たちが観劇好きなら、とっくに劇研などは人であふれかえっていることだろうから
上演される機会を得るというのは、
とても素晴らしいことだと思います。