劇団 SaVannaT's について
小林秀雄が初期の作品「手帳Ⅱ」の中で、サン・テグジュペリの次の言葉を引用している。「人間の幸福は、自由の裡にはない、義務の容認の裡にある。」
より正確に言えば、アンドレ・ジッドがこの言葉を引用しながら、この言葉自体に逆説的なものはない、個人主義というものの極限にこの真理を発見するということ、その事こそ逆説的なのだ、と述べているくだりを、小林秀雄が引用している。
この少々ややこしい話を紹介した理由は、劇団 東京SaVannaT's の劇を鑑賞するたびに(今回のは特に)、上に引用の言葉が私の脳裏をよぎるからだ。私事で大変恐縮だが、東京歯科大学で20年余り教員(英語)をしていて、最大の不思議の一つが、なぜこの大学から芸術的才能たちが開花するのだろう、というものであった。芸術的才能の開花には、おそらく芸術学部、文学部等にあふれているであろう「自由」が絶対的に必要なのではあるまいか。彼女ら、彼らの才能開花の秘密は、もしかしたら、歯科大学の課する多くの「義務」の(個人的)「容認」と、この容認を源とする(個人的)「幸福」(感)にあるのだろうか、などと考えてしまうのである。
この不思議は、私の中でついに解明されずに終るだろう。しかし願わくば、これらの開花した才能たちが、多くの方々の感性に触れずに終ることのないよう、祈るばかりの気持ちである。
2012/09/09 00:07
私達の状況を理解し、応援し続けてくださっていること、本当に嬉しいです。
「それでもお芝居がしたい!」の情熱を、後輩達にも伝えられたらと思います。
(先生のおっしゃりたいこと、ちゃんと理解できてますでしょうか汗)
今後も先生に期待し続けていただけるよう、サバンナ一同頑張ります!
ご来場、誠にありがとうございました!