レイラの手紙 公演情報 メガバックスコレクション「レイラの手紙」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    好きじゃないのに、
    橋下徹大阪市長の顔が浮かんできちゃった。こんな、すてきな舞台を観ていたのにさ。。。

    いつも良質な・・・「芝居を観たなあ!」という充足感がドドーっとくる舞台を披露してくれるメガバックスコレクション。今回の『レイラの手紙』も期待に違わぬ舞台。大満足!!!

    主役レイラ役の吉原怜奈さん。シーンが進むにつれグイグイ良くなっていく。

    「目芸」ともいうべき目ヂカラも相当なものだけど(小学生時代の里見香奈女流四段のような目だった。ボクが小学生の女の子に負けたのは、彼女が初めてだったんだよなあ・・・。)、小学生だからこそ出せるオーラを放ちまくってた。なんか凄い存在感だった。

    ラストのレイラの決断のシーン。8ヶ月ぶりに芝居で涙があふれてしまった。いつもなら、目に涙がたまるくらいで済むのに・・・ホント、参りました!

    『レイラの手紙』は色んなテーマで語ることができるんだろうなあ(一人で観に行ったから、語れなかったけどさ)。

    「家族じゃなければできないことってあるの?」「教育とは?」「生きていくということ」「愛」「人間らしい生き方ってなに?」etc. 

    それらの問いに対して、いろんな解答が出てくるような伏線がいっぱい貼られていて・・・ボクも、多種多様な解答、いっぱい出てきたもの(単に、咀嚼しきれてないだけのような気もするけどさ 笑)。

    ま、そんなに堅苦しい芝居じゃなくて、この『レイラの手紙』は絵本のような面も持ち合わせておりまして・・・素直にその世界に浸るもよし。深読みするもよし。若い役者の青田買いをするもよし(笑)。

    本当に、すてきな舞台でした。

    ありがとうございました。

    ネタバレBOX

    舞台となっているのは近未来。

    核戦争を経て人口が大きく減った為、確実かつ効率的な復興・発展が急務とされている。そこで、子供を親元から離し、国家による育成・教育プログラムに組み入れるというスキームが確立された。違反すると(子供を自分の手で育てると)、厳しい罰が待っている。国家による密告も推奨されている状況・・・不公平なく政策を実行するための密告。なんか北欧みたい。

    そんなプログラムの中で、IQがずば抜けて高い子供が受けるプログラムに組み入れられたのがレイラ(妹のライナスは手先は器用だが、平凡)。彼女は、優秀な機械を生産しているかのようなプログラムに対して、絶望に似た感情を抱き、施設を脱走する。

    知能が高く、それゆえ警戒心も強いレイラが、ラストで「人間らしい生き方をしたい!」という秘める思いを皆に告白し、いわゆる「子供らしい」心を取り戻すんだけど・・・このラストは、けっして「エリート教育」「管理教育」の否定に、そのまま繋がらないストーリー展開になってるんだよなあ。いや、「繋がってる」のかもしれないけど(笑)

    レイラは「こういう子が、国を引っ張っていくんだろうなあ」「こういう子に、将来を任せたいな」と感じちゃうような女の子なんだよね。
    この芝居で言うなら、世話になった家族の娘(レイラと同い年)の家庭教師役を既に仰せつかってるし、「故障したバスを修理するのに、レイラの知識や知能は役に立つんだろうな(で、工具を持つのはライナスなんだろうな)」って思うし(笑)

    レイラの「優秀さ」が、生まれ持っての気質によるものなのか、エリート教育のたまものなのかはわからない。でも・・・親元から離して、寮生活をして英才教育を施すってのは、よくある話で。灘やラ・サールなどの進学校もそう、甲子園で活躍する地方高校もそう。ゴルフ。囲碁、将棋。役者の世界は・・・どうなんだろう?笑

    ただ、幼少の頃からの英才教育が、大人になってからの生活を潤すことに繋がるってのは、よくある話。橋下徹大阪市長の教育論には違和感を覚えるけど・・・「じゃ、どうするの?」となると難しい話で。

    「親が思う子の幸せ」「子が思う自分の幸せ」。

    それぞれなんだろうね。そして「幸せな生活」って、その時その時で変わっていくんだろう。

    「自由」ってのは難しいね。


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    2012/08/25 19:26

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