満足度★★★★★
傑作
妻を喪うところから始まり、ロードムービー風に思い出を旅しながら家族の物語が。という感じなんだけど、「家族の物語」と言っても「家族の崩壊と再生」とかそういう風にテーマを名指せるものでなく、ただ生命の円環のような「家族」という不思議ななにかが夢のような時間軸とともに紡がれていく。
セリフや演技で示される物語はしばしば奇妙な方向に展開し、すんなりと了解できるものではないものの、総体として体験させられてしまうようなものすごい力がありました。
イスを使った見立てや光線、あと何よりも音楽による演出がすばらしく、ひとつひとつのシーンを思い出しながら涙ぐむような感じです。
俳優さんたちもみんなすごく魅力的でした。天球は声だけでもすごくよかったし、電源もすてきでした。ソノエ役の葉丸あすかさんが表情だけでも色彩鮮やかというかものすごく印象に残りました。男性陣もよかったんですが、関西弁でまくしたてる演技はうるさく感じましたが、いないといないでさびしいのかもという気もしました。
とにかく傑作でした。