くじけまみれ 公演情報 月影番外地「くじけまみれ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ファンタジーというよりは、夢落ち
    40過ぎの女性、働いていて、淋しい感じ。このスタートラインからどう展開していくのか。結論としては、あまり盛り上がりもせず、感心もせず。一定の質はあったけれど、後に何か残ったかと問われると苦しい感じ。

    ネタバレBOX

    結局のところ、主人公たる麻子は、その積み重ねてきた(くだらない)人生を否定しない。「騙されるのはなれているから」と、一度は断った救い(?)の手を、今度はあっさりと受け取る。あげくのはてに、「愛の旋律にのせて~」とかなんとか(←正確に覚えてない)嘯いてみたりする。でも50%も信じてないのではないかな。

    赤羽が燃えている様も、青年の海賊放送も、どちらも麻子の妄想であるかのようで、いずれ夢落ち的に霧散してしまう負の香りがする。リアリティが感じられるのは社長のねちっこさだけである。愛の逃避行的な結末を迎えたわけではないだろう。愛も夢もなければ、それはファンタジーではない。

    これはひょっとすると、脚本はファンタジーを想定したが、演出がそれを否定したのかもしれない。女性の心の闇は女性にしか描けない。男性の蛮勇が男性にしか描けないように。もやもやする感じは、この辺にあるような気がする。


    結果として、後半になるにつれて「?」感が増していくお芝居であった。女性のスタートラインを描くまでのところと、青年が海賊放送をしているシーン(転換点!)まではわくわくしていた。あそこであっさり二人が出会ってしまうという展開は、その後の流れを淀ませてしまったのではないかなーと思う。

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    2012/08/12 23:52

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