【13日(月)14:00追加公演ございます】父母姉僕弟君 公演情報 ロロ「【13日(月)14:00追加公演ございます】父母姉僕弟君」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    あまりにもアイデアを盛り込みすぎではなかったか
    結果、逆に全体が平板になってしまい、いろんなものが埋没してしまったように思う。
    そして、長い、と感じてしまったのだ。

    ネタバレBOX

    冒頭から面白予感があったのだが、どうもこちらが乗り切れない。どうしてか? と思ったのだが、とにかくアイデアを盛り込みすぎではなかったか。盛り込みすぎても面白い舞台は数多くあるのだから、そのコントロールの仕方がうまくいかなかったのではないだろうか、と思った。

    次々登場人物が現れてて、新たなアプローチをしてくる。
    それは面白いのだが、軸となるキッドと天球の物語が薄れてくる印象だ。

    どのエピソード、どのキャラクターにも満遍なくボリューム感があり、台詞とかいろんなことに小ワザを効かせてくる。
    その小ワザ部分が、あまりにも多すぎて、舞台の上で処理し切れていない印象を受けた。もちろん処理し切れていない、受け取り側にも問題はあるのかもしれないが、本当に面白いところまで、小ワザの連発で隠れてしまったのではないだろうか、と思った。

    「笑い」のあるだろう個所も、あまり笑えなかったのは、いろんなボリュームがありすぎて、役者に余裕がなかったからではないだろうか。台詞や演技の全部笑わせるのではなく、やはりそこもピンポイントで、「ここ」というポイントを笑ってもらう工夫をすべきだったのではないだろうか。

    「ここ」という肝な部分を、カギカッコで括るような演出等々が足りないというか、だから全部平板になってしまったというか、大切なところをきちんと伝えてほしかったというか。
    大切なシーンや台詞が空回りしていた印象さえある。それは残念。

    例えば、兄弟のエピソードは、兄の過剰な台詞は面白いのだが、兄弟の関係に表すシーンをもっと鮮明にしたならば、彼らの(特に兄の)痛みは伝わったと思うし、それは、タライのシーンにおいても、単なる笑い以上の何かを伝えてくれたように思えた。

    あるいは、例えば、野球チームを作る、疑似家族の3人の関係だって、その中心を明らかにして見せたのならば、面白さだけではない辛さが垣間見えてきたかもしれないのだ。

    大切なことを忘れてしまった(あるいは忘れてしまいそうになる)ということへの痛みと、家族の物語はとても面白かった。
    天球(島田桃子さん)の愛らしさは抜群で、彼女を失ったキッドの気持ちは痛いほどわかるし。

    音楽の演奏からの展開は、本当に素晴らしいかった。特に、バットで壁を叩き壊し、なぜ客席と舞台を通常の形と逆向きに(客席を入口側ではなく舞台側に設置した)したかという理由が明らかになる、セットの展開も含めて、キッドと天球の会話まで、とても美しかったと思う。

    のだが、長く感じてしまったのが、やっぱり残念。
    観劇中は、時計など見ることはまずない。しかし今回は耐えきれず、見てしまった。まだ1時間しか経ってないんだ、と気づきガックリしてしまった。

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    2012/08/06 07:08

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