MY SWEET BOOTLEG(ご来場ありがとうございました!御感想お待ちしています!次回は10月上旬、同劇場にて) 公演情報 MU「MY SWEET BOOTLEG(ご来場ありがとうございました!御感想お待ちしています!次回は10月上旬、同劇場にて)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    アペリティフのような。
    バー公演ということで、いつものMUに比べ、ライトにゆったりと楽しめました。それはアペリティフ(食前酒)のような軽めの味わいで。本家とパロディ、ヘテロな恋愛とゲイセックス、元彼に似た女の子等々。何が本物かで何が偽者か、そんな概念が観ているうちに正に「溶けていく」感覚を、ゆったりとした大人空間で素敵に楽しめました。ああきっとこのお芝居は、メインディッシュを楽しむ為のお芝居。きっとそのメインディッシュは「人生」なんだろうな、と。そんな風に思えます。

    そして今回、夏コミに向けてBL原稿描き真っ最中の友達にMUを紹介したところ、普段イケメン芝居専門で観ている彼女にとっては世界が変わる芝居だったような感想を戴きました。このように心に響く芝居に出会えることは本当に幸せなことだと実感します。思えば私も最初に観た会話劇がMU。MUに出会えて本当に良かった。

    ネタバレBOX

    私も10代の頃少しだけ漫画を描いていて、オリジナルを書く側の気持ちも、妄想して同人誌を書く気持ちもちょっとずつ分かる身としては、「本物」側がどんな意図でどう描こうと同人側には燃料にしかならないという成り行きに納得しすぎてかなりウケました(笑)
    しかし徐々に止んでいく作家・・・演じる古屋敷さんの目の表情の変遷に恐怖を感じて。マッサージと称しての喘ぎ声も、最初はただもおふざけかと思って笑ってしまっていたのですが、2回目もそうかと思ったら様相が違い・・・。やはりMUは、期待を良い方に裏切ってくれるな、と変に安心しました。

    そして、物語の行方を楽しむうちに、鈴木由里ちゃん演じる結花が、いつのまにか私の心にそっと寄り添っていました。
    結花が、酔っ払って先生にキスしようとするシーンで。あっ、と思ったと同時に心臓がふわっとして。そして全力で拒否された結花と共に、私も傷付いて。ショックでした。絶対酔っ払ってキスなんかするものかと心に誓いました(笑)

    腐女子のポジティブなBLエロ妄想も、先生とマスターのゲイセックスも。思えばそれは私にとってセクシャリティ的には全く縁の無いもので。だからこそ、一筋の光みたいに結花の思いが心に射してきた瞬間だったんだなと今になって思います。
    自分にとって異質なものに囲まれた中で、結花が放った「プロだったら無視しろよ」という言葉がほんと、リアルに胸に刺さるのです。「プロ」を「大人」に脳内変換して、観終わってしばらく経つ今でも、自分の抱えるいろいろなモヤモヤに思いを馳せるのでした。

    それにしても、同人誌書いてて処女な姉を説教したギャルな結花が、コンビニでも行くように「デモ行ってくる」と言ったのには、あ、と。そういう時代なんだよな。。

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    2012/08/05 19:33

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