ローエングリン 公演情報 新国立劇場「ローエングリン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    意外とオーソドックスな演出
    ビジュアル的にはモダンながらも、設定の置き換えや突飛な解釈を施さないオーソドックスな演出で、演劇的観点からは興味を掻き立てる要素はあまりありませんでしたが、音楽的にはとても充実していてワーグナーの壮大な世界観を堪能しました。

    テカテカの黒い床に幕ごとに異なる巨大なオブジェが置かれた美術と、白と黒の衣装でモノトーンが支配的な中で敵役や重要なアイテムに赤を使うという色彩デザインがされていて分かり易かったです。第2幕のラストは色と歌手の動きが、幸せの中にその後に訪れる悲劇を予感させていて良かったです。

    セリや吊物機構を用いた縦方向の人や物の出捌けが多用されていたのが印象的でした。何百枚ものパネルが格子状に並べられた奥の壁には絶えず映像が映されてされていましたが、ぼやけた感じで何が映っているのか分かりにくかったです。目出度いシーンで花火が映し出されるのはストレート過ぎて滑稽に見えました。

    タイトルロールを演じたクラウス・フロリアン・フォークトさんは軽めの声なのに浮わついた感じがなく、ピアニッシモからフォルティッシモまで美しく響き渡っていて素晴らしかったです。終盤の「グラール語り」は圧巻でした。ヒロインのエルザを演じたリカルダ・メルベートさんは歌は良かったのですが演技が硬かったのがもったいなく思いました。
    合唱は変に小芝居をせずに棒立ちだったのは潔くて良かったのですが、やたらとフォーメーションを変えるのが目に煩く感じられ、そうする意図が分かりませんでした。

    休憩込みで5時間以上あるので、2回ある40分間の休憩のどちらかは半分の時間でも良いと思いました。

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    2012/06/14 00:38

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