15 Minutes Made Volume11(ご来場ありがとうございました!!) 公演情報 Mrs.fictions「15 Minutes Made Volume11(ご来場ありがとうございました!!)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    切なさ6つ
    『15 Minutes Made』も今回で11回目だという。
    新しい劇団に出会えたり、知っている劇団の違った側面を垣間見られたりと、素晴らしい企画だと想う。
    ただし、15分ということで、大きなハズレもないが、大当たりも期待できない、と少し思っていたのは事実だ。
    しかし、今回はもの凄く面白かった。大当たりかもしれない。ツボにはまったと言っていいかもしれない。

    今回のテーマは「地図」ということなのだが、どの劇団の内容にも、「切なさ」を強く感じた。
    生きてるということは、切ないんだな、ということを。

    ネタバレBOX

    『工藤、笑って!』月刊「根本宗子」
    15分なのにしっかりと人物と物語が描けている。
    学生のころの、友人の鬱陶しさ、と郷愁と。
    笑いもいい塩梅。
    男子学生のいい加減さがツボ。必ずパンをかじりながら入ってくるとか。
    4人ともうまい。
    長編も観たくなった。

    『lovvvvvvvv∞vvvvvvvve』宗教劇団ピャー!!
    変な(と言うか、下手な)台詞の感じはラスト近くになってわかってきた。母、祖母という役にホンモノを持ってきたようだ。あえて役者を使うのではなく、ドキュメントな感じ、「血」の気配を狙ってきたのだろう。このイタイ感がこの劇団らしい。
    いつものけたたましい美術に囲まれてないと、世界観を作るのが難しかったようだ。アウェイの空気が劇場を支配していた。
    後半の種を繋ぐというテーマには広がりを感じ、配役の意味が浮かび上がる。
    また、種を繋ぐということと、それを「女性」のみで繋いでいることと、バックの男女の姿、タイトルとの関係から見える「愛」と「生物」の関係の面白さ、皮肉さは、ほんの少しだけ感じた。しかし、それらが突き抜けていかないもどかしさもあった。


    『お父さんは若年性健忘症』Mrs.fictions
    確かにキレイゴトなのだが、泣けるストーリー。
    テーマ的には悲惨で、哀しい話なのかもしれないが、母の前向きさが助けている。
    だから、メルヘンともいえる物語に仕上がっている。
    それでも、家族で、夫婦で生きていくという話。
    笑いもありつつ、いい感じだった。

    『散々無理して女だった、女だったのに』MCR
    とにかく台詞の「間」がうまい。どこまでが脚本内なのかわからないような、台詞とそのタイミングに、ぐいぐい引き込まれていく。
    ゾンビ話という、短編の題材としてはありそうなのに、その設定と落としどころにうまさを感じた。
    そして、笑った。
    あずきちゃんいいなぁ。

    『八坂七月 諏訪さん九月』あやめ十八番
    一人芝居であること、枕と、手ぬぐいを使った小道具に落語を思わせつつも、徐々に演劇になっていく。
    方言の語り口から、故郷と家族を想わせる素晴らしさ。
    姉の人柄がくっきりと浮かび上がり、祭りに繋げる物語に泣けてくる。
    立ち位置というか、地に足がきちんと着いているというか、根っこの部分をしっかりと感じた。
    ラストの踊りの身のこなしの鮮やかさはさすが。
    堀越涼さんが、作・演出もこなす。素晴らしいとしかいいようがない。


    『キック・オフ!!』梅棒
    暑苦しいのに爽やかな青春モノ。
    身体のキレが半端なく、魅せるダンス。
    ありがちで単純なストーリーなのに、演出がうまくて楽しい。
    特に、前のキャプテンが足を怪我してからの展開は、一瞬「?」となったのだが、大胆に内面を表現していていいのだ。
    ラストに会場から「プレイボール!」というかけ声がかかったが、サッカーなのだからそれは違うだろう(笑)。せっかくタイトルにもあるのだから、ここは「キック・オフ!」だろうに。

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    2012/06/09 09:36

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