満足度★★
『写真と身体』鑑賞
『Welcome to “The Moment”』と題された作品は「写真と身体」というテーマの下に作られていますが、写真は直接的には登場せず、瞬間を留めたものという概念として扱っていました。
高く積み重ねられた平台が点在し、床には進行方向を示す曲がりくねった1本道のラインが描かれた空間の中央で、英語とオランダ語(?)による2人の対話が続き、もう1人のダンサーは床のラインに沿って決められた動きを何度もスタート地点に戻りながら繰り返し、冒頭と最後だけ実験的な響きの音楽が流れるという構成でした。
終盤に流れた美術館の中を走り回る狐の映像は冒頭の音楽と床のラインに関連を持たせてあって、それぞれの繋がりが見えて来るのが心地良かったです。
2人が話す内容を通訳の人がリアルタイムで日本語に翻訳しタイピングしたものを壁面に投影するアイディアは「瞬間を捕える」というテーマと合致していて興味深かったのですが、スピードと精度が低くて、会話の内容がほとんど分からなかったのが残念でした。
西村未奈さんのしなやかなダンスが美しかったです。