満足度★★★★
熱演
ギャラリーカフェでの公演なので、女優二人は、目の前で演じている。舞台は殆どフラットで、テーブルと椅子が2脚。小さなカラーボックスが、上手壁際にいくつか置いてあり、小道具が其処に置いてある。
振られそうになった女の、自己解体、孤独が増殖してゆく様を通して、彼女の至りついた地点を、女性の宿命に重ねて昇華した。女優2人の熱演が見ものだ。バックに流れる音楽の殆どはサティーだ。その選曲のセンスの良さと、この作品とのマッチングにも注目したい。
無論、いくつかの仕掛けがある。そして、その仕掛けは、劇中に鏤められたいくつものヒントを用いれば、容易に解くことができる。だが、女優の迫真の演技は観客に否応も無く解釈を迫り、久々に観客としても作品との対決を迫られた。