無伴奏ソナタ 公演情報 演劇集団キャラメルボックス「無伴奏ソナタ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    何かを創っているひとに。
    いい意味でキャラメルっぽくなくてとてもよかった。そしてとにかく多田さんがかわいくて魅力的。
    当日券、ハーフプライスでも良い席が出てそうなので、キャラメル好きさんもそうでない方もぜひこれは観にいったらいいかと思います。

    字幕のいらない、クリスチャンの声の聴こえる距離感の劇場で、ぜひ、再演してほしいなあ。照明が難しいかもしれないけど、センティオとか、MOMOとか。

    たぶん、荒削りだし、稽古期間も短かったのかもしれない。
    けれど、クリスチャンと同じように、わたしにもラストシーンのあの一瞬だけで、観に来てよかったな、と思いました。
    何かを創作しているひとには、とても沁みる舞台です。
    空気人形のオダギリジョーのシーンがすきなひととかに、おすすめしたい。

    ネタバレBOX

    ハーフプライス以外の当日券はひさしぶりです。

    今回は前説がある!なつかしい!

    冒頭のほう、あれあれ大丈夫~?稽古短いのかな?と思ったのですが、
    かつぜつ抜群な岡田さんが登場し、ウォッチャーが登場し(クリスチャンのお父さんと同じ方なのですね)、どんどん場が温まっていきました。

    途中の動きのシーンがよかった。多田さん、足が細くて衣装がとても似合っていて、身体が柔らかくて笑顔がすてきでとても魅力的な役者さんですね。集団のシーンでもついクリスチャンを見てしまいます。

    登場人物が、確かに悪いひとはひとりもいないのですが、わたしにはとても無意識的な悪意にも見えて、(キャラメルの観方として間違っているのかもしれませんが)みんな悪気はないのにクリスチャンにとっては全くいい結果にならない、というそのすれ違いざまが、キャラメルらしくなくてそこが逆にとてもよかったです。

    ずっとひとりで生きてきて、みんなを恨んだっていいのに、誰も恨まなかったクリスチャンが欲していたのが、ただただ芸術家としての喝采のみで、あの一瞬できっと何もかも救われたんだろうなというのが、ほんとうに、なんというか、芸術家の芸術家たるところを見た気がしました。

    最後の演出とか、とてもすきです。思わず拍手してしまって。
    たった一度の拍手で、言葉で、彼は生きてきた意味があったんだろうなって。

    あと、音合わせ~喝采 となる 構成もすき。
    音合わせのラストのお母さんのせりふも大好きです。

    ウォッチャーは画家さんかな?と思ったのですが(右手と目を潰されていたので)、メイカーは音楽家しかいないのですかね。ウォッチャーの役者さんはカーテンコールで見るととてもかっこよかったのに、あえて帽子をかぶっているのがとてもすてきでした~。


    あと。以前の公演で、前の席の方が乗り出していて見づらかった、とここのレビューに書いたのですが、今回パンフレットにその注意書きが記載されていました。
    ずっとそうだったのかもしれないし、私の意見がどうこうだったわけじゃないと思うのですが、なんだか嬉しくなりました。そういう嬉しさは、とてもキャラメルっぽいなって。

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    2012/05/28 23:24

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