満足度★★
アングラ的ブラックコメディー
立ち入り禁止区域になったままの数十年後の東北を舞台にした物語で、政治やマスコミや流されやすい人々を皮肉った、不謹慎でブラックユーモアのある作品でした。
温暖化で熱帯のジャングルのようになった立ち入り禁止区域内に作られた王国に飛行機が墜落して唯一生き残った男が、王国の奇妙な人達に出会う話で、道化的存在を通じて社会の変な所を皮肉るというオーソドックスな風刺劇の体裁で3.11以降の日本の姿が描かれていました。
宝塚や歌舞伎の様式のパロディーがあったりするものの、全体的にはアングラ演劇の雰囲気が感じられ、少々レトロな印象を受けました。内容に比べて2時間の上演時間が長過ぎるように思いました。
嫌味ったらしいオバサンのキャラクターや露出度の高いセクシーな衣装や下品な台詞等、月船さららさんの宝塚出身とは思えないの弾けっぷりは魅力的だったのですが、色々な面を見せようとして作品的に必要のないことまで盛り込み過ぎているように感じました。
エキセントリックな国王を演じた斎藤歩さんの怪演が楽しかったです。