満足度★★★
月船さん魅力的!また蝉時雨蝶子に会いたい!
月船さらら さん一人になった演劇ユニット「metro」第2弾。
今回も、前回に続いて震災に関する内容で、未来の日本、東北の王国
を舞台にしたコメディでした。
個人的にはこの傾向のコメディは見ていて気恥ずかしいのが先に立って、
あまり笑えないのですが、ちらちらと風刺も効いてました。
それにしても、月船さんは、東北訛りでおっとりした東北の国の妃、
妖艶だけど笑える女性シンガー・蝉時雨蝶子、
コックリさんの力で?関西の総理になった肖像権エージェント、など
さまざまキャラクターを好演 … 蝶子のCD買っちゃいましたよ。
これまでの公演の登場人物も含めて、本当に、色々な面を持つ女優さんで、
魅力的です。
もっともっと別の顔、違った演技、違った人物像を観たくなります。
ですから、作品選びにかまり時間をかけないで、なるべく早く、次が観たい!
(と、勝手なこと言ってますが。)
もう今から次の作品に期待してます。
他には、タイトルにもある実は高度な知能をもっている「なまず」
を演じられた、ダンサーでもある池田遼さん。
水槽の中を回遊する様子を表した、くねくねとした不思議なダンスが
素晴らしかったです。
そしてmetroには欠かせない『怪優』鴇巣直樹さんは、今回はかなり普通の
役で、それが逆に味があって良かったです。
若松力さんは、metroには複数回出演のあの若松武史さんの御子息とのこと!
パンフ読んで驚いた!しかもツッコミ役!至って普通の役でした。
ちなにみに、会場である神楽坂die pratzeは、6月頃(だったかな?)には
閉鎖とのこと。metroこけら落としと、metro公演でしか来なかった会場ですが
こういう小さなスペースが無くなると聞くとすごくさびしい。
metroも同じ作風が続いたので、次は全く別のベクトル、出演者による
作品が観たい!! でも蝉時雨蝶子には会いたい!
満足度★★
アングラ的ブラックコメディー
立ち入り禁止区域になったままの数十年後の東北を舞台にした物語で、政治やマスコミや流されやすい人々を皮肉った、不謹慎でブラックユーモアのある作品でした。
温暖化で熱帯のジャングルのようになった立ち入り禁止区域内に作られた王国に飛行機が墜落して唯一生き残った男が、王国の奇妙な人達に出会う話で、道化的存在を通じて社会の変な所を皮肉るというオーソドックスな風刺劇の体裁で3.11以降の日本の姿が描かれていました。
宝塚や歌舞伎の様式のパロディーがあったりするものの、全体的にはアングラ演劇の雰囲気が感じられ、少々レトロな印象を受けました。内容に比べて2時間の上演時間が長過ぎるように思いました。
嫌味ったらしいオバサンのキャラクターや露出度の高いセクシーな衣装や下品な台詞等、月船さららさんの宝塚出身とは思えないの弾けっぷりは魅力的だったのですが、色々な面を見せようとして作品的に必要のないことまで盛り込み過ぎているように感じました。
エキセントリックな国王を演じた斎藤歩さんの怪演が楽しかったです。