トニーと呼んで 公演情報 Baobab「トニーと呼んで」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    切実な思いをエネルギッシュに踊る
    11人のダンサーが台詞を交えながら所狭しと踊り、自己の存在を認めて欲しいと訴え掛けるようなエネルギーに溢れた作品でした。

    真っ暗な状態から照明が点くと客席の直ぐ前に横一列に並んだダンサー達が倒れ込み、奥の壁の前に並んだダンサー達は静止したままという冒頭がインパクトがあり格好良かったです。その後もダンスミュージックに乗せたダイナミックでキレの良いダンスが続き、バラバラに踊っていたのがユニゾンになる瞬間が気持良かったです。振付は良いのですが、ダンサーの動くタイミングや静止時のポーズが揃っていないのが残念でした。

    台詞は物語を紡ぐというよりかは声を出すことによるダンサーのテンションの変化を求めて使われているみたいでしたが、ダンスに対して台詞が押し付けがましく感じられ、もっと台詞は少なくて良いと思いました。

    客席の1列目をアクティングエリアとして用いていて、普段あまり見ることのない、高い手前と低い奥という空間的対比が面白い効果をあげていました。舞台の下手と奥の床が赤い帯状になっている部分や、ラストで出てきた白い服を縫い合わせたのぼり状のオブジェはもっと明確に作品の内容とリンクしていた方が良いと思いました。

    荒削りに感じる箇所も多かったのですが、ムーブメントの組み立て方や全体の構成に新鮮な魅力があり、今後が楽しみに思いました。当日パンフレットに「次回公演はこんな作品にはなりません」と書いてあったのも気になります。

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    2012/05/13 23:18

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