満足度★★★
「政治思想」と「演劇芸術」の問題
堅いタイトルを付けてしまいました。
正直、この劇のレビューを書くのは、少々気が重く感じています。
演劇団体・演劇人には、「反戦」「戦争の悲惨」を取り扱うところが
結構多いです。
もちろん、「思想の自由」「表現の自由」がありますから、
構わないと言えば構わないのですが、えてして、
「芸術としての」演劇というよりも、政治思想のプロパガンダみたいに
感じることが多いのです。
その場合、「芸術を政治思想のプロパガンダに使わないでほしい」と
いつも思ってしまいます。
ただ、(ここまで書いたので、ばらしてしまいますが、)
私は「空想的平和主義」や「日本軍=悪」のようなステレオタイプの思想には
反対の人間で(もちろん、色々の考えの方がいらして良いと思っていますよ、
念のため)、そのため、一層そのように感じてしまうのかな?などと
常々思っていたのです。
つまり、今回の演目については、私の立場では「思想」としてならば、
全く共感できるのです。
でも、今回の演目がもし「改憲集会」でのPRとして上演されたのなら、
むしろ、よりピッタリ感じてしまうだろうな、と、どうしても思えてしまいました。
(以下、少々のネタバレ)