自慢の息子 公演情報 サンプル「自慢の息子」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    奇妙な神話的世界
    自分の部屋に王国を作った男、その母親、その国に移住して来た兄妹、隣の家に住むシングルマザーの女、そしてその国を出入りするガイドであり配達人である男といった、どこか奇妙な人物達が織りなす物語で、社会と上手く折り合いを付けられず孤立する人の姿が、ギリシャ神話のような悲劇性と、グダグダで俗な日常性が混ぜこぜになって描かれていました。

    頭上にロープが渡され床には大きな布が敷かれた舞台空間が、ロープに布を掛けたり、人が布の中にくるまったりすることによって空間の距離感やスケール感が変化していく演出が印象的でした。ある乗り物のミニチュアを使った演出が新鮮で印象に残りました。映像の使い方も独特で面白かったです。
    登場人物達が人形のように動く最後のシーンが痛々しさを感じさせながらもとても美しく、印象に残りました。変態的で馬鹿馬鹿しくて笑える部分もたくさんありましたが、ただ可笑しいだけではなく、その裏にえも言われぬ恐ろしさも感じられました。

    0

    2012/05/03 22:55

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大