満足度★★★★
知識人向きの演劇
ある三世代家族のお話。
皆が家族にそれなりの愛情を感じている、ごく普通の一家。
でも、皆が、言えない秘密を抱えていた。
具体的な内容は、全く似てはいないのですが、山田太一さんの「岸辺のアルバム」とか「それぞれの秋」などを思い出しました。
斜形の柱が、照明によって、色を変え、部屋や、山林や海岸に、瞬時に姿を変えて見える装置が、美しく印象的でした。
父親役の大家さんの演技がこの上なく秀逸。
津嘉山さんの祖父が、家族を諭す自論には、並みの評論家よりも遙かに説得力があり、思わず身を乗り出して聞き入ってしまいました。
娘役の三枝さんの演技が、ややテキストをなぞられている感じで、自然でない点が残念に思えました。