満足度★★★★★
文学の中から抜け出たような描写
まず、セットが素晴らしい。決して豪華なセットではないが、小劇場にしてはきちんと建てられた階段や間取り。
時代を匂わせるその雰囲気が会場入りしたとたん、ずん!と心に響いた。
たぶん、それは遠い昔、太宰をむさぼり読んで、ちょっと太宰にあこがれ、傾倒したところがあったからだ。
良くも悪くも太宰は多くの読書家に多大な影響を与えたんだよね。。
かずこの雰囲気、非常に良いと思う。
しっとりとした空気の流れを感じたし、その背景にはきちんと『斜陽』の中のかずこが居た。
芝居の合間に、説明の為に背景に文字が映し出されます。
この説明の仕方も忠実に小説通りに描写しており、脚本家の山田裕幸の丁寧に作った様子が伺える。
直治が堕落していく様子やかずこの理不尽な思いが沸々と伝わってきて、それは脚本が素晴らしい事と同時に役者のレベルの高さが加味して、静かだけれど情熱の篭った舞台でした。。
山木とかずこの外れた車輪の関係や直治との関係・・・この世は優しすぎるととかく、生きにくいものなのだ。
かずこは自分が生きる為に先生の子供を生む。
それがかずこをこの世につなぐ、唯一つの方法だから・・・。
太宰は昭和20年代に、「これから生きていく為には『こんにちは』という軽薄な挨拶が平気でできるようでなければだめだ。」と書いている。
「生きる」という意味を深く考え「生きる意味」を追求し、それを知ってしまって、自殺した太宰。
ニンゲン、生きているのだからね、誰だって多少のインチキをやってるに違いないんだ。
真面目だけじゃあ、自分が潰れるって事だよね。
まあ、そこそこインチキやりながら生きていこう!(^0^)
そうやって優雅に世を渡ってこそ、美しく調和のある人生が開けるのです。
・・・って、〆はどうよ?(v^ー°)
2008/02/13 19:06
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検索有難う。。いつもいつも丁寧に聞いてくれて感謝してます。。