満足度★★★★★
身近に感じられる「昭和庶民伝」
いつもの「おどろおどろしさ」(?)がない分、より身近に感じられる「昭和庶民伝」、敏チャンの死から千鶴の「幸福宣言」までが特にイイ。(たまらず涙が二筋三筋…)
松尾家に向かう千鶴の姿(とその見せ方)やその後の大立ち回りは心に深く刻み付けられたと言っても過言ではあるまい。
また、哀切極まりないけれど決してビター・エンドではない結末も上手い。自らの責任ではないのに事故に対する罪の意識から自分が幸せになってはいけないと思っていたがその考えを改める千鶴や泥花(厭世観・自殺願望の象徴?)を見ようとは思わなくなるハジメはパンドラの匣の底に残された希望の如し。