通し狂言 絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ) 公演情報 国立劇場「通し狂言 絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    私利私欲の悪の華
    近松や黙阿弥の悪人とは異なり、南北の描く悪人は、あくまでも、個人的な欲深さ故の悪行なんですよね。

    だから、南北の作品は、悪の華の魅力を体現できる役者さんでないと、ある意味、芝居自体が、意味をなさなくなると思うのです。

    さすが、仁左衛門さんの悪役二人は、悪の魅力を存分に放って見事でした。

    でも、それにしても、この演目、人が殺され過ぎ。

    震災時に公演が中止になったのは、内容も影響したのでしょうね。

    段四郎さんが体調不良で、左團次さんが、二役を兼任されていますが、劇場で、そのことが知らされず、お隣のお二人が、ずっと、「どうしても段四郎さんには見えないけど、」と首を傾げていらっしゃいました。

    やはり、ここは、きちんとアナウンスで告知すべきではと思います。

    ネタバレBOX

    幕開きが、何だか間延びした展開で、唖然としましたが、だんだんと面白くなりました。

    ただ、南北の作としては、あまり出来が良くない気がします。

    仁左衛門さんが、役者の魅力で、押し切って、魅せてしまいますが、もし、これが、それ程の役者さんでなければ、愚鈍な演目にもなりそうな予感がします。

    伝法なうんざりお松の時蔵さん、品格のある左團次さんの瀬左衛門と弥十郎が、とても魅力的でした。

    仁左衛門さんと愛之助さんの並ぶ舞台は、見た目にも一興でした。

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    2012/04/12 23:44

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