「通し狂言 三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)」「奴凧廓春風(やっこだこさとのはるかぜ)」 公演情報 国立劇場「「通し狂言 三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)」「奴凧廓春風(やっこだこさとのはるかぜ)」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ピカレスクとシュールの2本立てで、新春だなー
    『三人吉三巴白浪』は、いわゆる「白波モノ」であり、とんでもないピカレスク。
    そして、105年ぶりに上演される『奴凧廓春風』は、親子孫三代の競演がウリの、これまたとんでもなく、シュール(?笑)な物語。

    ネタバレBOX

    『三人吉三巴白浪』

    新春からこう責めてくるというのは、さすが歌舞伎。
    本人たちの責ではない、畜生道に落ちてしまった男女(息子と娘)を、その理由を告げずに、包丁で滅多切りにして殺してしまう、凄絶なシーンや、ラストの、これから三人の吉三たちは、どう自分たちに落とし前をつけていくのか、ということを匂わせるようで華麗なシーンなど、本当にピカレスク。

    しかも、ストーリーが、「ええ?」という展開で、「そういう関係なの?」という人間関係が露わになってきて、登場人物たちが、皆なんらかの関係があるというストーリー、因縁話は、とにかく面白くて引き込まれる。

    そして、ラストの雪景色での立ち回りは歌舞伎らしくて美しい。

    時間を掛けて洗練されてきて、気持ち良く流れる台詞(特に七五調の長台詞)は、音楽を聴いているようで楽しい。
    どこかで聞いたことのある、お馴染みの台詞が満載だ。
    松本幸四郎の兄貴分的な貫禄のある悪役がよかった。



    『奴凧廓春風』
    市川染五郎が奴凧で現れ、本当の子の金太郎がその糸を引く。そして祖父役の幸四郎が、その子(本当の孫)に凧揚げの手ほどきをする。
    それが新春ぽいし、華やかと言えばそうなのが。

    奴凧は舞台の上で宙乗りとなり、空中で踊ったりする。かなりの熱演。
    その物語の展開は、奴凧が中心となり、イノシシが出てきたりと。

    『曽我物語』のパロディも取り入れられているらしいのだが、それはよくわからなかった。


    お芝居の中で、手ぬぐい撒きがあるのも、新春公演らしい楽しさだ。

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    2012/01/30 03:53

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