スチュワーデスデス 公演情報 クロムモリブデン「スチュワーデスデス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    妄想劇
    そもそも、スチュワーデスデスを観に行こうと、決めたのは劇評と、奥田ワレタに興味を持ったからでした。

    奥田ワレタは元々京都の劇団「劇団衛星」に所属していて、かなり人気があったらしいのだけれど、その後フリーとなって上京してきてからも実は一度も観たことはなかったんだよね。


    以下はネタばれに隠しました。(2009・6・22)








    ネタバレBOX

    だから今回は舞台を観に行ったというよりは奥田ワレタを観に行ったと言っても過言ではない!(^0^)

    で、脚本家や演出家、作り手としては本来だったら本音の感想が欲しい筈だと思う。自分たちの作品に対してどんな反応があったか?はとても気になるところだと思う。

    だから、劇評や感想は、なるべく正直に芝居の感想を投稿したほうが、作り手や今後、クロムを観ようと思ってる人達の為になるのではないかと考えています。

    とかく、小劇団の観劇者の多数は、殆どが演劇関係者だったり、出演者の友人だったりするから、観劇後、本音で「ここが良くなかった!つまらなかった!」という人は少ないと思う。
    むしろ、大したことがなくても「良かったですよ。」と言っとけ。みたいな風潮があるのではないか。と思う。その方がアタリが良いからね。

    でもでも、そんなどーでもいいような劇評は劇団側にとっても何の意味もないし、これから何を観ようか検索して迷ってる観劇者に対しても失礼極まりない!(^0^)と思っているんだよね。
    社交辞令は劇評の場合、あまり意味がないような気がします。

    そんな理由から、シビアな意見になりつつも正直に書いた方が、どちらにとっても、いいのではないかという考えから、感想を述べますね。


    全体を通して犯人の精神世界と妄想劇といった類の芝居です。
    不思議な世界。

    ちょっとかわいく、ちょっと切ないけれど全然泣かせない、「普段人には言えない秘密の気持ち」を具現化して表現しフェチズム溢れる世界を舞台化している。
    「演劇ドラッグ」的な世界に病み付きになる人も多いのだろうね。


    これは好き嫌いの嗜好がはっきり分かれる作品ではないでしょうか?
    観劇後、何が言いたかったのか?

    ストーリーがあるようだけれど、波間に入るはちゃめちゃぶりは、全体的なストーリーを壊してます。
    つまり、ポップで暴力的で陽気で壊れちゃってる感じです。

    「不思議な国のアリス」のようにずっとずっと走ってるけれど同じ場面しか入ってこない風景。
    だけれど、物語は闇夜で公演するサーカス団のようなそんな不思議な感覚です。

    だから、この手のプルート的な妄想劇は嗜好が分かれる。




    どうせ嘘話を書いてくれるなら、パンドラの箱を開けて最後に登場する「希望」に充ち満ちた物語を観て感涙に咽び、この世にはこんな素敵な愛がふんだんにあるんだ!って感動を頂いて、素晴らしい音楽に打ち震えながら自分の心を満足させたいタイプだから、この手の作品はあまり好きではないのです。


    万人から愛される作品を作ると言う行為そのものと他の小劇団と違った個性を出す事が、すごく大変なことなのだろうけれど、いつまでも心に残る作品を作ってもらいたいものです。

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    2008/01/05 13:25

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