満足度★
食べる??
今回、フライヤーがとても魅力的で、「食べる。」というそのテーマをどこまで追求できているのか楽しみだったのですが、結果的には、演劇として成り立っていないレベルに終始してしまったのが残念です。
まず、「食べる。」という所に焦点を当てたのなら、食べるということの範囲内で話しを展開すべきだったのに、食べるということがいつの間にか本能というテーマに置き換わり、セックスやらなんやらに焦点が散らばってしまって、結局、観客からしたら目の前の人たちは何をしたいのだか全くわからない状態になっていた。
次に、脚本が演劇の基本ルールを成していなかった。
例えば、登場人物のサラリーマンが常に寂しさを強く感じながら生きていて、でもその人に舞台上で「さびしい」というセリフを言わせたら、もうそれで終わってしまう。
唐十郎の戯曲並みに特別な構成ができていない限り、遠いイメージから入り徐々に中心的な想いへと近づいていくという方法をとらないと、観ている方としては嘘くささしか感じない。