ダッチプロセス 【ご来場ありがとうございました!】 公演情報 ナカゴー「ダッチプロセス 【ご来場ありがとうございました!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    抜群の切れ味とセンス
    説明にあるように、すごくさくっとしているといえばその通りなのですが、
    キャラクターたちの色が、実はとても緻密に作りこまれている印象。

    奇想天外ではあるのですが、
    その世界に乗っかった瞬間に
    突き抜け方に圧倒されて・・・。

    後半の展開にもがっつりと引き込まれました。

    ネタバレBOX

    偽悪的にラフにつくられた部分が、
    一方で作り手や演じ手が、本当に緻密に作り上げた部分に
    強い色を作り上げていて・・・。

    悲嘆にくれるキャラクターが
    本能に抗いきれない態で
    でかいハンバーガーのチーズにかぶりつくだけでも
    やたらに可笑しい。
    モラルとなにげない煩悩のキャップが、
    さらには、キャラクターのある種の貫きとともに
    ぞくっとくるようなセンスと踏み込みで重ねられていきます。
    役者たちの、ラフな感じを作り上げるに足りる、
    極めて緻密な間の積み上げやテンションの作り方に
    しっかりやられる。

    舞台を支配する独特の雰囲気に
    馴染んだ瞬間に
    さまざまな可笑しさが幾重にもやってくる感じ。
    多分人によってかなりの好き嫌いはでるのだろうけれど、
    一度この味に嵌るとと病みつきになるような要素があって。

    特に、終盤の女性が店を出ていこうとするシーンが秀逸で、
    店から出られなくなる女性と
    周りの描写には息を呑みました。
    精神的な抑制の肌触りが鳥肌がぞくっとくるほどにリアルで、
    キャラクターがコントロールしえないものの質感が
    圧倒的な役者の演技力に支えられて伝わってくる。
    可笑しい中に
    ひきこもる人の踏み出せない感じや
    周りの雰囲気がまさに圧巻。

    ラフな印象に織り込まれた
    作り手の細緻に想いを切り取る切れ味や
    突き抜けたデフォルメのセンスに
    瞠目しました。


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    2011/10/25 07:28

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