満足度★★
都市の風景
維新派を観るのは今回が初めてだったのですが、写真で見たことあるのものより小ぢんまりした印象でした。
男女とも白の半袖シャツと黒の半ズボンで揃えた24人の役者達がフォーメーションを変えながら行う身体表現と奇数拍子のリズムに乗せた台詞を駆使した作品でしたが、ユニゾンでの動きが不揃いで緊張感がない反復が続き、退屈さを感じることが度々ありました。ダンス作品のようなダイナミックなユニゾンにする必要はないと思いますが、もう少し全体的に精度を高めて欲しいと思いました。
ところどころに面白い表現があったのですが、それが作品全体としての強度に繋がっていなかったのが残念でした。
池袋の真ん中という面白いロケーションなのですが、周りの賑やかさから隔離されたような空間で、線路に対してしか開かれていない場所だったので、期待していた程には都市の中での野外劇という特殊性が現れていなかったように思います。通行人や他のビルから見ることが可能な場所であれば、役者を見る観客、観客を見る人々、という入れ子構造が生まれて面白くなると思いました。
舞台奥にずらっと並べられた東京のビルの木製ミニチュアもそのような環境であれば「都市の中の都市」としてもっと効果的に感じられたと思います。
音楽で使われていた音色が本物のストリングスやピアノのものではなく、シンセサイザーの音だったのが安っぽく感じました。スモークや照明効果の多用も逆に役者の存在感を弱めていたと思います。
2011/10/14 05:03
2011/10/13 12:39
2011/10/13 06:59
情報ありがとうございます。
>積極的にこの場所を選んだ訳ではないとのことでした。
なるほど、そうだったんですか。それで納得です。
しかし、F/Tの野外の他の2本は、場所選びから入ったような印象でしたのに、こちらはそうしなかったのが不思議ですね。「風景画」なんてタイトルを冠しているからこそ、場所選定は大切だと思うのですが。
>また、犬島での公演と同じ内容の部分(船のシーン等)も多いらしく、完全な「東京版」ではないのも場所とのミスマッチ感を生んでいたと思います。
確かに、完全に同じモノで、「風景」だけ変えることでの、マッチング&ミスマッチで、作品に新たな息吹を吹き込むこともあろうかと思いますが、だったら、東京のビルのセットはいらなかったように思いますね。