満足度★★
ドキュメンタリー演劇初体験
今年3月11日の震災・原発事故後の瀬戸山美咲さんのドキュメンタリー演劇。
前半は露悪的、後半は言い訳、どちらも実話通りなのかもしれませんが、やや過敏に感じられて、瀬戸山さんが抱えている「評価への恐れや怖さ」が脚本や演出に現れているのかもしれないと思いました。すべてをさらけ出しているようでいて、実は巧妙にガードされているような印象を受けました。
原発や震災にこだわらなくても、瀬戸山さんの「武器を持ち、ときには使うほどの、対象(男性、演劇界、原発など)への恐怖心」をもっともっと色濃く描き出したら、おもしろい芝居ができるのではないでしょうか。その可能性を感じました。
2時間近くも出ずっぱりだった主演の佐藤みゆきさんが熱演。ドラマターグの中田顕史郎さんが好演。平山寛人さんは味わい深く、秋澤弥里さんは強い存在感、浅倉洋介さんの色気。俳優はさらけ出していたと思います。