連結の子 公演情報 文学座「連結の子」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鉄繋がり
    流石に全てのキャストが安定した演技力で魅せる。ちなみにフライヤーのデザインと、今回の物語の内容は全く違う。苦笑!
    なんでも本が出来上がる前にフライヤーをデザインした為、違ったものになったとのこと。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    とある地方都市の高原直哉が住む一軒家が舞台。ここに服役していた孫の由紀夫がやってくる。由紀夫の両親が身元引き受けを拒否した為だった。ここに身内が集って由紀夫を囲むも、よそよそしくぎこちない会話が続く。直哉は東武日光線の運転手をしていたが、今は隠居し一人暮らしだった。この直哉の影響で子供2人は鉄マニアで、孫の由紀夫も鉄マニアだった。

    閉鎖的な田舎の一軒家、直哉と由紀夫の暮らす家に保護司の下園がちょくちょくやってくることから、由紀夫の服役の事実が近隣の噂となって大きく膨れ上がってしまう。犯罪を犯すと自分だけでない、家族も犯罪者の家族としてそれに巻き込まれてしまう負の連鎖を描写しながら、悲劇と喜劇の表裏一体として笑いに転化していて、シリアスな舞台なのだけれど、笑える箇所もあった。

    由紀夫はかつて引きこもりだったこともあり、性格的にも負のスパイラルから逃げ出すことが出来ない。だから家族から差し伸べられた手を素直に握れなかったりする。しかし三世代に亘って鉄マニアの男たちは「電車ごっこ」をしながらも、由紀夫に生きる為の逃げ道を作るのだ。この物語に白黒はない。結末もない。しかし、とにかく生きてみようか。という気持ちにはさせられる。三世代の連結の物語だ。

    ハワイに行ったという近所の斉藤姑が色黒で帰ってきた場面は演出家のお茶目なところ。笑

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    2011/09/18 11:44

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