美しの水 公演情報 AND ENDLESS「美しの水」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    後半から号泣(REDを観た)
    頼朝のために平家を討ちながらも、実の兄に追われ義経は、愛する静御前を連れて仲間と共に北方へ向かい、運命の平泉・衣川でクライマックスを迎える「Red」。今回で全てのバージョンを観ることが出来たのだが、なんといっても「White」と「Red」があまりにも秀逸な舞台だった。この2作では観客のすすり泣きが会場に木魂し、まさに舞台と観客が一体化した場面だった。
    義経の宿命を描くこの3部作に対して、次回は渋谷金王丸、平教経、木曽義仲、藤原泰衡を主役に据えてそれぞれの宿命を描く短編オムニバス「Purple(黄金・御伽)&Puple2(息吹・願い)」を公演するがスケジュールの関係でどうしても、観られない。その代り、合計15時間にも及ぶ壮大な物語を締めくくるエピローグ「Purple(大地)」は観たいと今から考えているのだ。【ブログやツイッターをやられてる方は2000円で観られる制度があります。】

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    今回の「Red」は「White」よりも号泣してしまった。もう体中の水分がなくなってカラカラに渇いちゃうんじゃないかと心配したくらいだ。
    実の兄を慕って、兄・頼朝のために平家を討ちながらも、実の兄に追われることになった義経。義経のめざましい戦歴に恐れおののいたのと同時に、平氏残党の娘を妻に迎えるなどの大胆不敵なふるまいに激し、更に義経を陥れる九条兼実の陰謀も加わった。そして、後白河法皇の義経に対する過度の優遇さも頼朝と兼実の嫉妬を買う羽目になったのだった。

    このまま京にいることに危険を感じた義経は、西国支配の宣旨が下されるのを待って、西方を目指すことにしたが、頼朝の追跡の手が更に厳しくなることが予想されたため、義経は家来の行く末を案じ多くをゆかりの地へ帰還させ、自身は、静や弁慶・佐藤忠信らわずかな手勢とともに吉野山を目指すこととなった。静を伴って吉野に着いてはみたものの、義経の子をはらむ身であったので、義経は静を京に返す決心をし、家来をつけて山を下らせた。しかし、頼朝に実の母親の命を奪うと脅されていた家来は静を、吉野から鎌倉に連れて行ったのだった。やがて、静は男子を出産したが、生まれたばかりの赤ん坊は、頼朝の命により殺されてしまう。

    悲しみに沈む十九歳の静は、あまりの絶望に気が振れて自身を失ってしまうのだった。

    一方、吉野を下った義経主従は、その後、頼朝方の目から逃れるため奈良や京都で散り散りに身を隠したが、このまま隠れ居を続けても事態を好転できる望みがなく、義経は奥州平泉へ逃げることを決意した。頼朝が敷いた広く強固な包囲網のため、義経の逃避行に用意された地は藤原秀衡が統治する平泉を措いて他になかった。秀衡は義経主従の平泉入りをおおいに歓迎し、義経を大将にいただき頼朝と一戦を交える覚悟があることを諷した。頼朝は、脅し文句を綴った書簡を送り付け平泉を牽制したが、秀衡は動じることなく義経をかくまい続けた。しかし、その秀衡も死を迎えるのであった。

    今回の舞台は後白河法皇が義朝に瓜二つの義経を見つめる慈愛に満ちた眼差し。その背後で嫉妬の炎を燃やす九条兼実。義経と頼朝の間で静を奪い合う愛憎を主軸に「愛」を強く押し出した作品だった。

    「お前に命を預ける奴が現れるまで一人で生き抜け」と後白河法皇の初恋の相手・義朝が後白河法皇に放った言葉。その義朝が欲しかった「判官の位」を後白河は頼朝を差し置いて義経に与えようとする。相変わらず、後白河法皇役の塚本千代の演技が見事だ。セリフを発する間が実に絶妙なのだ。後白河というポジションを熟知した堂々とした演技力だったが時折垣間見せる義経への想いの表現も見事だった。

    今回はキャストらの吐く言葉に泣かされ、悲恋の場面で泣かされ、静の絶望で泣かされ、義経の正義や静を一途に想う心で泣かされた。そして静の「私はあなたの為に生まれてきたの。」のセリフはクサイ。クサイけれど真っ直ぐに耳に届く言葉だ。
    今回、北条政子役の窪田あつこが壊れた!笑
    しかし、あの弾けっぷりはやはりサービス精神の一環だ。お嫁に行けない弾けっぷりだったが、その勇気を称えたい。笑



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    2011/08/29 13:37

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