満足度★★
世界観に入り込めませんでした。
吉祥寺シアターの広い空間を使って、蝉と戦争とナスカの地上絵を絡めたロマンティックな物語が描かれていました。
天文学、少年文学、ナチス、零戦など様々なソースからの引用がありましたが、モチーフが多過ぎて焦点が定まっていないように感じました。もう少し絞ってシンプルにテーマを浮き立たせた方が良いと思いました。
大声、早口、間のない会話と、個人的に苦手なスタイルの台詞の扱いで、ハイテンションなトーンが続き、疲れました。子供向けの演劇のような台詞に合わせた動きもオーバーアクションで、そこにメタ的な意図も感じられず、野暮に感じました。
何人かの役者はちゃんとした基礎がある感じでしたので、ナチュラルでシリアスな演技を観てみたく思いました。
ピアノの生演奏に続いての、映像と大仕掛けな美術を駆使した冒頭シーンはスケールが大きく、素晴らしかったです。それ以降のシーンではビジュアル的に魅力が感じられるところがなく、残念でした。
舞台の一番奥まで使い、さらにキャットウォークや奈落まで演技エリアとしていて、空間に広がりがあって良かったです。