さよなら また逢う日まで 公演情報 ブラジル「さよなら また逢う日まで」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    かっちょいい
    マチネを拝見。

    秀逸な舞台美術が醸し出すちょっと荒んだ雰囲気に
    役者たちの作りこんだキャラクターが見事にはまって。

    いろんな切り口からかっちょいいお芝居であり、
    暑気が吹っ飛ぶほどおもしろかった。
    また、初進出という紀伊國屋ホールの空間が
    とても生きた芝居だと思いました。

    ネタバレBOX

    冒頭のシークエンスに一気に取り込まれる。

    そこから、メンバーたちの集まる前半、
    あわてることなく、それぞれのキャラクターを
    じっくりと観る側に植え付けながら
    物語が進んでいきます。

    昔の事件がしたたかに織りこまれつつ、
    計画が練られる。
    舞台で語られる事実には
    観る側に物語の展開を予想させる余白がしたたかにつくられていて
    適宜差し込まれる笑いや苛立ちにも
    テンションがあって、観る側をそらさない。

    冒頭のシークエンスが再びやってきて
    物語の時間にメリハリがつけられて。

    後半に移ると、計画の結末が提示されていきます。
    なんだろ、観る側が
    常に展開の選択枝を持たされているような感じで
    嵌る。
    舞台の広さが絶妙なのですよ。
    役者が醸し出す個性も窮屈にならず、
    存分に広がりを持つような感じもあって。
    銃撃のアクションにも概念を超えたリアリティが生まれる。

    終盤、疑心暗鬼が闊歩する中での、
    それぞれのハードボイルドっぽい空気が
    ぞくっとくるほどにかっこいい。

    残った4人、
    さらには結末シーンのの二人の空気に
    観る側も前のめりにさせられて。

    終わり方にもぞくっとさせられた。

    実は、暑さにへろへろで劇場に着いたのですが、
    そんなことは開演10分で忘れてしまい
    終演時には累積した夏バテまでふっとんでしまうほどに
    舞台の密度に引き込まれてしまいました。


    こういう言い方は、なにか的外れな気もするのですが、
    すくなくとも私には
    最高の暑気払いとなった一作、
    極上のエンターティメントでありました。

    *** *** ***

    終演後のPPT、
    双数姉妹の野口かおるさんの激走りに愕然。
    ラストシーンを突っ込み倒し
    劇団主宰の応戦をさらに振り切って、
    劇団立ち上げ時のエピソードから
    当時標榜していたという、
    「エログロ・・・」の作風までを一気に暴露されておりました。

    まあ、止めるのに主宰ともう一人のゲストであるJACROW中村氏、
    さらには司会の西山氏の3人がかりで、
    場内大爆笑。

    ただ、ふっと思ったのですが
    野口さんの展開って、
    ある意味本編の構造をどこかトレースしているようにも思えて。

    これって考え過ぎですかねぇ。

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    2011/08/16 08:49

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