つきのしろ 公演情報 劇団黒テント「つきのしろ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    アンダースタディ版鑑賞
    実際に福岡であった連続保険金殺人事件をベースにした生演奏付きの作品で、九州弁でのサスペンス的な雰囲気に展開の中に女たちの閉鎖的で歪んだな服従関係が描かれていました。

    仲良しだった看護婦4人組が保険金目当てで家族を殺していく実話に創作の設定を付加していて、女たちの関係性を浮かび上がらせ、後半にはサスペンスな雰囲気の中にスラップスティックなおかしみもあって、物語に奥行きが出ていました。全体としては感情移入しにくい性格の登場人物が多いのもあって、いまいち盛り上がりに欠ける印象を持ちました。

    格子状のパネルの位置を変えるだけで、看護婦のマンションの1室、新たに買ったマンションの屋上テラス、病院の中を描き分けていたのがスマートで、さらにドアを抜けてパネルの向う側に行くと動きをスローモーションにして空間の奥行きを感じさせる演出が面白かったです。

    所々で役者たちが中島みゆきさんの曲をソロで歌うのですが、物語の内容と直接リンクしているわけでもないのにフルコーラスを歌うのは長すぎると思いました。ギターとベースのデュオbig☆bowは歌の伴奏だけでなく、至る所で即興的なパッセージを奏で、緊張感を高めていました。せっかく生演奏だったので、録音のBGMは使わない方が良いと思いました。

    奇妙な支配力をもって殺人を主導する人物を演じた福島妃香里さんは見た目が若すぎて設定の中年女性には見えなかったのが残念でしたが、安定した演技と出演者の中で飛び抜けてレベルの高い歌唱力が魅力的でした。アンダースタディ版の1回しか出演しないのがもったいなく思いました。

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    2011/08/03 21:37

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