満足度★★★★★
普通の家庭のリアリティが見事!
青木さんの作品は、非日常的なストーリーより、こういうごく日常のありふれた家族劇の方が秀逸だなと感じます。
登場人物全員に、その人間の日常が見え、これは、KAKUTAの桑原さんにも感じる、劇作の才が顕著です。
昭和から、平成に移る前後数年の日本の普通の家族劇。
先日の震災で、津波によって海に誘われて逝った友人のお嬢さんの旅立ちの会に参列した後の観劇でしたので、余計、この時代は、皆、結構能天気に、皆希望に溢れていたなあと、今のこの国の対比としての切なさが胸に込み上げて来ました。
役者さんも全員好演!
特に、昔我が家の常連ゲストのお一人だった、樋田慶子さんが、全く以前と変わりなく、ご健在ぶりを発揮されていて、個人的にとても嬉しい観劇となりました。
高橋恵子さんは、同世代として、観る度、歓喜したくなる素敵な演技で、何度心で、喝采を叫んだか…。
子役から素敵な役者さんだった浅利さん、とっても親近感を感じる娘役の黒川さん、戦中モノも観てみたくなる下村さんの丁寧な演技、ゴジゲンで拝見する東迎さんは、ベテラン勢の中でも、動ぜず、自分の演技を貫き、感心、谷川さんは、風采の上がらなさを絶妙表現、人の良い皇室オタクおばさんの根岸さん、「六羽のカモメ」の頃から、脇役として得難い好演をされる小野さん…
まあ、よくぞここまで、ジャストフィットのキャスト選別がなされたかと、感動すら覚えました。