おどくみ 公演情報 新国立劇場「おどくみ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ちょっと昔のホームドラマ
    昭和末期から平成初期のお弁当屋兼お惣菜屋さん一家を巡る話。

    「学習院」というブランドに縁のない自分としては、何の学部があるのか全く知らないけど、即「皇族」「宮内庁ブランド」「上品そう」が漠然として出てくる程度で、劇中の家族同様、軽口の冗談話程度の関心で日々過ごしていた。
    ということで自己中心で考えれば、長男(剛)が学習院大、長女(郁美)は医大生、母親が料理上手でしかも綺麗って、かなりポイント高い一家ですw。
    家長のパパ(幸広)の、家族を大事にする思いと、お気楽で元祖TVっ子のほほんぶりが「あ〜いるわ〜」と人んちの家庭生活の匂いが想像出来た。
    世代的に兄妹と同時代を過ごしていたので、兄の物事が上手く運べずくさくさする感じ、妹の叔父を巡るやり取りに気持ちが嵌ってしまった。

    天皇が絡む話といえば井上ひさし氏の作品が思い浮かべるが、あの人の天皇とは(青木さんが反骨精神とかは追求してないと思うけど)権威や威厳とかが対比するかのような緩さだった。自主映画で世間からはみ出す様な作品を作る事を追求し、それらの事象を舞台の上で見せた事はいいと思うけど、そこまで「アナーキー」とはなっていない気がした。
    毒性が薄く「国立ですのよ」という印象。
    皇室マニアの酒田さんの最後の台詞から、時代の流れ的にあの時は未来に夢や希望がいいイメージでまだ想像出来てたからかな。
    まだ現役だから良くするように努力するけどさ。

    役者さんも全員上手くって、楽しめたし良かったけど、向田邦子作品を薄い味付けにしたような印象だった。

    ネタバレBOX

    だらしない親類(次男の二郎)、それをほっとけない母親、その思いを汲み取っている長男(幸広)。その感情をすんなり理解出来る分、自分も親世代に近づいたと自覚する。
    関係ないが、幸広お父さんは夏場は高校野球中継に夢中になってそう。

    次男が絡んできて離婚して家族崩壊するパターンかな、と危惧したけどあの家族流の解決の仕方に少しホッとした。
    石綿君は見た目、御学友(正確には全く違うけど)ともいえる人間性の良さが垣間見えたが、人それぞれ表面の見えない部分ではいろいろ葛藤や悩みもあるわけで。その辺はやんごとなきお方にも共通してるのかな。この作品見たら「それそれ!そこ!」とか思うのかな。・・流石にこんな軽い口調ではないだろうが。

    舞台良かったけど、「お毒味」=偉い人に関わる重要な仕事という思い込みが強く、今作を見た限りではそれを絡めて巡り巡った家族の話という感じだったので、薄味の向田邦子作品を見た様な後味。

    0

    2011/07/07 12:07

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大